東京市場で107円76銭近辺まで売られたドル円は反発。長期金利の上昇に加え、株価も続伸し、市場がややリスク先行に傾いたことからドル円は108円52銭まで上昇。ECB理事会の議事要旨で、ユーロ圏の景気に慎重な見方が示されたことでユーロドルは反落。1.15台を割り込み、1.1484までユーロ売りが進む。

 株式市場は5日続伸。ボーイングが買われた他、失業保険申請件数が減少したことも好感されダウは122ドル上昇。2万4000ドルの大台を回復する。債券は反落。長期金利は昨年12月27日以来の2.74%まで上昇。金は反落し、原油価格は8日続伸。新年度に入り取引日は全て上昇し、52ドル台半ばまで買われた。

新規失業保険申請件数 → 21.6万件

ドル/円   107.92 ~ 108.52 
ユーロ/ドル 1.1484 ~ 1.1545
ユーロ/円  124.35 ~ 124.75
NYダウ   +122.80 → 24,001.92ドル
GOLD   -4.60   → 1,287.40ドル
WTI    +0.23   → 52.59ドル
米10年国債 +0.03   → 2.740%

本日の注目イベント

豪  豪11月小売売上高
日  11月貿易収支
日  11月国際収支
日  12月景気ウオッチャー調査
英  英11月貿易収支
英  英11月鉱工業生産
米  12月消費者物価指数
米  12月財政収支


 昨日の東京時間では、株価の大幅下落に伴ってドル円も売られ、一時107円76銭まで下落しました。この欄でのレンジ予想では、下値を107円70銭としましたので、ほぼこの水準で下げ止まったことになります。依然として上値は重いものの、米国株が堅調に推移していることで、「VIX指数」も危険水域の20を割り込んでおり、それほど深い下げは
ないと予想したわけです。

 東京市場の株安を受けても、NY市場では全てが堅調に推移しています。ダウは5日続伸して、2万4000ドルの大台を回復し、ドル円は108円台半ばまで反発し、前日ストップロスの買いを巻き込み急上昇したユーロドルも1.14台後半までドル買いユーロ売りが進み、市場全体でドルの買い戻しが目立った流れでした。

 「VIX指数」も「19.50」近辺で取引を終え、昨年12月4日の水準まで低下し、落ち着きを取り戻した格好です。米中通商協議では、核心の部分での進展は見られませんでしたが、今後に期待の持てる雰囲気の中で終わり、市場はこれを好感しています。強気のトランプ政権も、米国株の大幅下落を目の当たりにし、さらにISM製造業景況指数が約10年ぶりの悪化を記録するなど、景気の鈍化を示す指標が幾つか出てきたことから、米中協議を「決裂」させるわけにもいかないといった事情もあるかもしれません。現時点では楽観的すぎるかもしれませんが、期限である3月1日までにはある程度の合意ができ、重要事案については「継続審議」という形になるのではないかと予想しています。

 パウエル議長は10日、ワシントンのエコノミッククラブでの質疑応答で、「当局は辛抱強くかつ柔軟で、進展を見守ることができる状況にある。しばらくは様子見だと考える」と語っています。議長はバランスシートについては正常化のプロセスを堅持していると発言し、(ブルームバーグ) これでドル円が売られ、株価も下落に転じる場面もあったようです。

 ドル円は昨日も述べたように、107-110円のレンジを形成している過程にあると思われます。その中でも、まだドル売りが優勢な状況で、戻りを売る「Sell  on  rally」が基本スタンスかと見ています。上述のように、株式市場は落ち着きを取り戻したかに見えますが、これは「パウエルプット」と、米中通商協議が予想外の展開を見せなかったことによるショートカバーに過ぎず、まだ新規でロングを積み上げる状況ではないと思います。

 ドル円は戻りを売る姿勢を維持しながら、3日の早朝につけた105円割れが再度試されるのかどうかを見極める展開かと思われます。チャートでは「1時間足」の重要な移動平均線がある108円65-70銭辺りを抜け切れば、もう少し上昇の余地はありそうです。


 予想レンジは107円80銭~108円70銭程度といったところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)