ドル円は複数の連銀総裁のハト派的な発言や、FOMC議事録でもハト派的な内容が明らかになったことでドル安が進む。ドル円は108円を割り込む場面もあり、108円台前半で取引を終える。ユーロドルは急進。ドル安が進んだことからユーロ買戻しが膨らみ、ストップロスの買いも巻き込み1.1560まで上昇。約3カ月ぶりのユーロ高を記録。カナダドルが下落。カナダ中銀は政策金利据え置きを決めたが、利上げの余地を残したことで1.13台前半までキャンドル高が進行。株式市場は4日続伸。FOMC議事録が公表され、内容がハト派的であったことを好感。ダウは91ドル上昇し、ナスダックも60ポイント上昇。債券相場は小幅に反発。長期金利は2.7%台へとやや低下。金は反発。原油価格は大幅に続伸し、52ドル台を回復。米中通商協議で中国が米国からエネルギーの輸入を拡大させることが材料視され、前日比2.58ドル上昇。

ドル/円 107.97 ~ 108.88 

ユーロ/ドル 1.1448 ~ 1.1560

ユーロ/円  124.46 ~ 125.09

NYダウ  +91.67 → 23,879.12ドル

GOLD +6.10 →1,292.00ドル 

WTI +2.58 → 52.36ドル 

米10年国債  -0.018→ 2.710%

 
本日の注目イベント

中  中国 12月消費者物価指数
中  中国 12月生産者物価指数
欧  ECB議事要旨
米  新規失業保険申請件数
米  バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
米  パウエル・FRB議長講演
米  ブラード・セントルイス連銀総裁講演
米  エバンス・シカゴ連銀総裁講演
米  クラリダ・FRB副議長講演
加  カナダ11月建設許可件数

 3日間にわたって行われた米中通商協議が終わり、米政府は声明を発表しました。それによると、協議では、中国による米国産の農産物やエネルギー、米製品の購入拡大のコミットメントについて話し合ったと説明しています。米通商代表部(USTR)は声明で、米中双方は「貿易関係における公平性、互恵関係、そしてバランスを達成する」方法を検討したとしています。(ブルームバーグ)しかし、一方では重要課題である、米技術の移転強要、知的財産権、非関税障壁といった問題を巡っては具体的な成果は出ておらず、3月1日を期限に妥協を目指していると伝えられています。中国側は「次官級協議が1日延長されたことは、双方が真剣に交渉に向き合っていることを示している」との談話に留めています。ただ全体としてみれば、米中双方とも今回の通商協議については楽観的なムードで終了したようです。

 昨年12月19日のFOMCで利上げを決定した際の議事録が公表されました。利上げは議決権を持つメンバーの全会一致での決定でしたが、議事録によると、「数人の参加者が据え置き」を支持したとありました。議事要旨では「金融市場のボラティリティーや世界の成長を巡る懸念増大といった最近の動向により、今後の政策引き締めの適切な程度と時期は以前より明確でなくなったとの見解を参加者は示した」と記されており、幾人かのメンバーは「今後数回の会合でフォワードガイダンスを完全に削除することが適切になる可能性がある」と指摘していました。FRBは12月の利上げで、昨年だけで4回の利上げを実施しましたが、すでに、このタイミングでも利上げ停止の議論がなされていたことが判明しました。先週4日にパウエルFRB議長は「金融政策変更の用意がある」と発言しましたが、この発言が決して唐突ではなかったことが確認できた格好です。

 昨日のNY株式市場はこの結果を好感し、ダウは4日続伸しています。ただ為替市場では今後米金利の上昇が見込みにくいことからドルが売られ、ドル円は108円台前半まで下落し、ユーロドルは約3カ月ぶりとなる1.15台半ばまでユーロ高ドル安が進んでいます。もっとも、この日ドルが売られた背景はそれだけではなく、メキシコ国境の壁を巡ってトランプ大統領が依然として「国家緊急事態宣言」を発動する可能性が残っており、その可能性が高まっていることを嫌気したことも挙げられます。トランプ氏は昨日ホワイトハウスで民主、共和両党の議会指導者と会談しましたが物別れに終わっており、話し合いは「時間の無駄だった」と語っています。トランプ氏はツイッターへの投稿で「シューマー、ペロシ両氏との会談の席を立ってきたところだ。私が迅速に政府機関を再開したら30日後にどうなるかと尋ねた。壁ないし鉄柵を含む国境警備を認めるつもりか。ペロシ氏は認めないと答えた。私はさよならするしかないと言った」と述べています。(ブルームバーグ)米国の一部政府機関閉鎖はすでに19日目です。そのため貿易収支の発表などが遅れています。両者の対立が続けばさらに数週間閉鎖が続くとの見方もあります。ただそうなると、市民生活への悪影響も出て来ると見られ、トランプ氏に対する支持率の低下にもつながりかねません。「ディール」を得意とするトランプ氏が、今回のメキシコ国境の壁建設費用を巡るディールをどのように取引するのか、興味のあるところです。
本日のドル円は107円70銭~108円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)