ドル円は東京時間の夕方109円台に乗せたが、NY市場では109円には届かず。米長期金利が上昇し、株価も続伸したことでドル円は底堅く推移。ユーロドルは小動きながら1.14台前半から半ばで推移。

 株式市場は3日続伸。米中通商協議が本日も継続されるとの報道を好感し、ダウは256ドル上昇。他の主要指数も揃って続伸。債券相場は続落し、長期期金利は1週間ぶりとなる2.72%台まで上昇。金は反落。原油は7日続伸し50ドル台に迫る。

11月消費者信用残高 → 221億ドル

ドル/円   108.44 ~ 108.96 
ユーロ/ドル 1.1422 ~ 1.1459
ユーロ/円  124.12 ~ 124.61
NYダウ   +256.10 → 23,787.45ドル
GOLD   -4.00   → 1,285.90ドル
WTI    +1.26   → 49.78ドル
米10年国債 +0.030  → 2.726%

本日の注目イベント

豪  豪11月住宅建設許可件数
独  独11月貿易収支
欧  ユーロ圏11月失業率
米  FOMC議事録(2018年12月18、19日分)
米  ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
米  エバンス・シカゴ連銀総裁講演
米  ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
加  カナダ12月住宅着工件数
加  カナダ中銀政策金利発表


 ドル円は緩やかに回復し、昨日の夕方には一時109円台に乗せる場面もありましたが、その後押し戻されています。米国株が3日続伸し、米中通商協議に明るい兆しが見えてきそうなことから長期金利が上昇し、ドルを押し上げています。

 2日間の日程で行われる予定だった協議は9日も継続されると、米国の、交渉担当者が明らかにしました。交渉人の一人である米エネルギー省のウィンバーグ氏は現地で、7-8日の過去の2日間の協議は「順調に進んだ」とし、「明日も継続する」と述べています。トランプ大統領も「中国との交渉は非常にうまく進んでいる」とツイートしており、交渉の行方に楽観的な見方を示しています。(ブルームバーグ)2日間の日程をあえて延ばしたということで、市場は交渉は順調に進展しており、合意に一歩近づいたと判断し、リスク回避の流れが後退しました。

 「VIX指数」は昨日からさらに低下し、今朝の時点では「20.47」まで下げており、節目の「20」を下回る可能性が高まってきました。協議の内容はまだ明らかにはなっていませんが、中国が米国の商品やサービスを購入することなどで進展があったようです。注目される知的財産権侵害問題については、いまだ不透明です。ただもう一方の懸念材料である「メキシコ国境の壁問題」では、トランプ氏と民主党首脳との間では対立が続いており、トランプ氏は議会の承認を得ずに建設を決定できる「国家緊急事態宣言」の発動も視野に入れていると報道されています。大統領は国境における「国家的な安全保障上の危機」について、本日米東部時間午後9時(日本時間午前11時)にテレビ演説で国民に呼びかけることを発表しています。

 新年早々から急落したドル円と株価は、ほぼ1週間を経て落ち着きを取り戻したように見えます。ドル円はほぼ急落前の水準を回復し、株価は急落前を上回っています。「金融政策変更の用意がある」と発言したパウエル議長の言葉が市場のセンチメントを大きく変えましたが、今後の焦点は上記米中通商協議の行方です。

 今回の協議で米中が貿易問題で合意に達することはないと思われますが、今月中に中国の劉鶴副首相が訪米し、ライトハイザイー米通商代表部(USTR)代表と会談する見通しとなっていることから、この辺りが最終合意ができるのかヤマ場になるのではないかと思います。交渉の期限は2月末となっており、もし合意に至らなければ、3月から中国製品2000億ドル(約21兆8000億円)に対して25%の関税が課せられることになり、景気後退が鮮明な中国にとっては、極めて深刻な問題になります。

 ドル円は昨日の夕方に109円台を回復する場面がありましたが、勢いはなく、109円台維持には失敗しています。「1時間足」のチャートを見ると、緩やかに上昇してはいますが、その角度は丘を登るような形です。先週3日の急落が余りに急激だったことから、まだその傷を引っ張っている状況に見えます。

 不透明材料が残る中、株価と長期金利がドルを支えている状態ですが、ここしばらくは107-110円のレンジを形成する可能性が高いと思われます。本日は上記トランプ氏の演説に注目しながら、NY時間では連銀総裁の講演も多く予定されているので、ここにも注意です。各総裁が、パウエル議長が発言したように、「金融政策の変更」にどこまで前向きであるのかが判明すると思います。

 本日のレンジは108円30銭~109円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)