ドル円は108円台で底堅く推移。長期金利と株価が上昇したことでドル高に振れ、108円75銭までドルが買われる。ユーロドルは反発。1.1483までユーロ高が進み、先週2日以来の水準を回復。株式市場は米中通商協議の開始を好感し続伸。ダウは一時250ドルほど上昇したが、引け値では98ドル高に収まる。債券相場は続落。株価の上昇に「VIX指数」も低下し、安全資産の債券は売られる。長期金利は2.69%台まで上昇。金は反発し、原油価格は6日続伸。

12月ISM非製造業景況指数      →  57.6

 
ドル/円 108.21 ~ 108.75 

ユーロ/ドル 1.1440 ~ 1.1483

ユーロ/円  123.82 ~ 124.80

NYダウ  +98.19 → 23,531.35ドル

GOLD +4.10 →1,289.90ドル 

WTI +0.56 → 48.52ドル 

米10年国債  +0.028→ 2.696%


本日の注目イベント

豪  11月貿易収支
独  11月鉱工業生産
欧  ユーロ圏5月消費者信頼感指数(確定値)
米  11月消費者信用残高   
米  世銀、世界経済見通し発表
加  11月貿易収支


 昨日から米中通商協議が始まり、次官級の協議にもかかわらず、中国の劉鶴副首相が出席したことで、中国側が「本気で合意を目指している」との印象を与え、ドル円も株式市場もこれを好感して堅調に推移しています。劉鶴副首相は、習主席の経済ブレーンといわれており、信頼も厚いことから中国側から思い切った譲歩が引き出せる可能性も出てきました。今朝の報道では、協議は米国からの1兆2000億ドル(約130兆円)の緊急輸入の詳細だけではなく、知的財産権の侵害問題についても協議される見通しだと伝えられています。トランプ大統領も「中国は合意したがっている」とツイートしており、場合によっては、「パウエルプット」に次ぐ「お年玉」が市場に届く可能性もあるかもしれません。

 NYダウは朝方から上昇し、一時は250ドルほど買われましたが、最後は98ドル高で引けています。ドル円も昨日の東京市場引け後はやや売られましたが、NYでは108円75銭までドルが買われ、1月3日の急落からは落ち着きを取り戻しています。そのため、一時は「36」程度まで上昇した「VIX指数」も、昨日は「21.4」まで低下し、恐怖が意識されないと言われる「20以下」に近づいてきました。ただそれでも市場の不安は完全には拭い切れません。メキシコ国境の壁を巡りトランプ氏と民主党との溝は埋まっておらず、壁を「鉄製」にすべきと主張するトランプ氏は10日にメキシコ国境を訪問する予定になっています。壁の建設費用が予算に含まれていないため、トランプ氏は署名を拒否しており一部の政府機関は依然として閉鎖されたままです。

 12月の非製造業景況指数は「57.6」と、昨年7月以来の低水準でした。先週発表された製造業景況指数も約10年振りの低水準でしたが、労働市場を除く経済指標では、景気の減速を示すものが増えてきたのも事実で、FRBが利上げを一時的に停止する根拠の一つにもなっています。アトランタ連銀のボスティック総裁は7日、「今年に入る前、1年前に私は、2019年の利上げ回数を2回とみていた。今では19年は1回だとみる」と講演で述べています。焦点は今年の利上げが「ゼロ」なのか、「1回」になるのかという点で、それによってドル円の値位置も決まってくると思われます。

 ドル円は108円台後半まで上昇したことで、「1時間足」ではローソク足が昨年12月28日以来となる雲の上で推移しています。先週3日の下落分の9割程を埋めたことになりますが、この上には「1時間足」では「200時間移動平均線」が109円45銭前後にあります。ここまで上昇すれば、今回の急落分を全て埋めたことになりますが、まだ上値は重く、実需筋もドルが反発した際にはしっかりとドル売り注文を持ち込むと見ています。110円台までドルが反発できれば、市場参加者の相場観もやや修正されると見られますが、足元では予約の取れていない輸出筋を中心に、まだ「あつものに懲りてなますを吹く」といった状況かと思います。
本日のドル円は108円~109円程度と、昨日の予想と変わりません。