ドル円は急落。米国株が大幅に続落し、長期金利も急低下。さらに米政府機関の一部が閉鎖され、市場ではリスク回避の流れが急速に強まり、ドル円は110円27銭まで円高が進む。ドル急落の割にはユーロは上昇せず、ユーロドルは1.1438近辺で上げ止まる。ユーロ円は125円台後半まで売られ、8月以来の安値を示現。

 株式市場は先週末の大幅安にも関わらず下げ止まらず。ダウは653ドル下げ、2万1792ドル台まで売られる。リスク回避の流れが強まり、債券相場は上昇。長期金利は2.73%台まで低下。ドル安が進んだことで金は続伸し、1271ドル台まで買われる。原油価格は株価の下落に歩調を合わせ大幅下落。先週末比3ドルを超える下げとなり42ドル台に。

ドル/円   110.27 ~ 110.98
ユーロ/ドル 1.1397 ~ 1.1438
ユーロ/円  125.93 ~ 126.53
NYダウ   -653.17 → 21,792.20ドル
GOLD   +13.70  → 1,271.80ドル
WTI    -3.06   → 42.53ドル
米10年国債 -0.052  → 2.738%


本日の注目イベント

日  10月景気動向CI指数(確定値)
日  10月景気一致指数(確定値)

 クリスマスムードが吹き飛ぶほどの株価の大幅下落です。昨日のNY株式市場は「短縮取引」だったにも関わらず、株価の下落は止まらず、もはや「暴落」といった方がいいほどの下げを記録しました。ダウは先週末も414ドル下げましたが、昨日はさらに653ドル下げ、ここ4日間で1900ドルほど下落しました。10月3日に記録した引け値の最高値からは実に5036ドル、率にして18.7%も下げています。ナスダックやS&P500指数は、さらに下げがきつく、いずれも最高値からの下落率は20%を超える状況です。ドル円は110円27銭まで円高ドル安が進み、リスクオフが進んだわりには存在感の乏しかった円も、ようやく「安全通貨」の本領を発揮してきた状況になっています。

 NY株式市場の「暴落」にはいくつかの要因が重なり、複合的な下落要因を形成していると見られます。FRBの金融政策の不透明さに加え、米議会では暫定予算が承認されず、一部政府機関が閉鎖しています。さらに、予想されてはいましたが、マティス国防長官が辞任し、辞任時期も来年2月末だったものが、1月1日に前倒しとなりました。これはトランプ大統領の意向が働いたとの報道です。

 こうした中、ムニューシン財務長官は24日、米金融当局と電話協議を行い、金融市場に異常な動きはないとの報告を受けています。週末には米銀行6行のトップと相次いで電話会談を行い、各行の流動性状況を確認しています。(ブルームバーグ)株式相場の「暴落」を受けて、トランプ大統領は株価の下落はFRBが原因だとツイートしています。「米国経済が抱える唯一の問題はFRBだ。相場感覚がなく、必要不可欠な貿易戦争のほか、ドル高、国境問題により民主党が政府機関を閉鎖したことすら理解していない」と批判し、さらにFRBの政策をゴルフにたとえ、「FRBは、力は強いがタッチ(アプローチやパターの感覚)がないためスコアがあがらないゴルファーのようだ。こういう人間はパットなどできない」とコメントしています。

 ドル円は「日足の雲」を勢い良く下抜けしており、目先は「週足」チャートでサポートレベルを探すといった状況です。「週足」雲の支えが109円70銭前後にありますが、先ずは110円という節目が維持されるかどうかです。シカゴ日経平均先物は2万円の大台を大きく下回っています。本日の日経平均株価が500円以上下げる計算にはなりますが、これを大きく超えて下落するようだと110円割れを試す展開も予想されます。

 本日の株価の下げ具合にもよりますが、予想レンジは109円80銭~110円80銭程度とみます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)