ドル円は欧州市場で112円25銭前後まで売られたが、NY市場ではやや反発し112円63銭まで上昇。FOMCを前に動きは限定的となり長期金利の低下に上値がやや重い展開。ユーロドルも小動き。1.1350を底値に40ポイント程度の値動きに。

 2日で1000ドルを超える下げを記録したダウは反発。一時は300ドルを超える上昇を見せたが、82ドル高で取引を終える。債券相場は続伸。長期金利は8月以来となる2.81%台まで低下。金は小幅に続伸。原油価格は景気への懸念や原油供給の増加を受け大幅に下落。前日比3ドル64セント下げ、一気に46ドル台に。

11月住宅着工件数 → 125.6万件
11月建設許可件数 → 132.8万件

ドル/円   112.35 ~ 113.63
ユーロ/ドル 1.1351 ~ 1.1386
ユーロ/円  127.76 ~ 128.03
NYダウ   +82.06 → 23,675.64ドル
GOLD   +1.80  → 1,253.60ドル
WTI    -3.64  → 46.24ドル
米10年国債 -0.038 → 2.819%


本日の注目イベント

日  11月貿易収支
英  英11月消費者物価指数
米  FOMC 政策金利発表
米  パウエル議長記者会見
米  経常収支(7-9月)
米  11月中古住宅販売件数
加  カナダ11月消費者物価指数

 2日続けて大きく売られた米国株の流れに、さすがに日本株も抗しきれず、昨日の日経平均株価は391円の大幅安で引け、約8カ月ぶりの安値に終わりました。ドル円もジリジリと値を下げ、午後には112円47銭前後まで円高が進みましたが、今回のドル下落も思ったほどの勢いはなく、依然としてボラティリティーの低い展開が続いています。

 ただ、その後のNY市場では米長期金利が8月以来となる2.81%台まで低下したことで、112円35銭までドル安が進む場面もあり、その前の欧州市場では112円25銭まで下落しました。この水準は今月に入りこれまで2回試しては押し戻された「サポートレベル」であって、今回も現時点では抜け切れずに押し戻されています。この水準は、日足の雲をわずかに下回ったところですが、ここに「120日移動平均線」があり、これが意識されたものと思われます。「3度目の正直」でも抜け切れなかったこの水準を抜けて、112円割れを試すのか、あるいはここを底値に再び114円を目指す展開になるのか、今夜のFOMC次第ということになります。

 そのFOMCでは、今年4回目となる利上げの可能性が高いと見られますが、米株式市場で連日大幅な下げが続いていることもあり、利上げを見送るべきだとする意見も増えてきました。もちろんその先頭に立つのがトランプ大統領です。FOMC開催中の昨日も再び利上げに対する批判をしています。

 トランプ氏は「FOMCの出席者はまた誤りを犯す前に、本日のウォール・ストリート・ジャーナル社説を読んだ方がいいだろう」とツイートし、さらに「市場の流動性をこれ以上引き締めるべきではない。500億ドルなどやめろ。相場を感じ、意味のない数字にとらわれるな。幸運を祈る」と続けました。WSJは18日「米金融当局は休止すべき時」と題した社説を掲載し、「インフレの欠如と米経済成長に減速の恐れがある中、金融当局は利上げを見送るべきだ」と論じています。」(ブルームバーグ)

 またブルームバーグも「米国株が売り込まれた状況で利上げ断行なら極めて異例の展開」と題し、利上げ停止を求める声が多いことを紹介しています。その中で著名ストラテジストであるデービッド・ローゼンバーグ氏の言葉を引用していますが、そこには「金融市場はこれ以上(利上げは)不要だと告げているが、経済データは追加引き締めが依然として適切であることを示唆している」との分析を紹介しています。

 今夜のFOMCではこれまでの、想定された利上げ回数の下方修正は必至だとは思いますが、パウエル議長も「データ次第だ」という言葉を口にしています。17日に発表された12月のNY連銀製造業景況指数は「10.9」と、市場予想を大きく下回り、2017年5月以来の低水準でした。発表される経済指標は「強弱入り混じった」結果になっているのは事実ですが、予想を大きく下回っているものも散見されます。債券市場では3年債と5年債の「逆イールド」も発生しており、今後景気が鈍化することを示唆し始めています。これらを考慮すれば、仮に今回は利上げが決定されたとしても、来年以降の利上げ見通しを極端に低下させるメッセージが発せされることも予想されます。その場合でも、トランプ大統領の圧力に屈したのではなく、データに基づいた判断であると、FRBは主張できます。

 ムニューシン財務長官は18日、ブルームバーグとのインタビューで「ドルが強い理由の一部は人々の米国経済への見解や、世界の他の国々の成長と比較した米経済の成長にある」と述べ、強いドルは米経済への「信任投票だ」との認識を示しました。同長官は以前にもこの種の発言を口にしており、市場への影響はなかったようですが、先に行われた米企業の経営者と米通商代表部(USTR)との話し合いの際に、企業側は「為替条項」を織り込むよう要請しています。ムニューシン財務長官のこの発言は、今後の日米物品貿易協議に影響があるかもしれません。

 今夜のFOMCの内容次第では為替が大きく動く可能性もあります。予想以上に「ハト派的」であれば、株価が急反発し、債券も買われ、金利が低下すると予想されますが、ドル円がどちらの影響をより強く受けるのかによって展開も変わりそうで、なかなか動きを予想するのも簡単ではありません。

 予想レンジは111円90銭~113円10銭程度でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)