ドル円は円買いが優勢になったものの、円の上昇は限定的だった。株価が再び大幅に下げ、長期金利も低下したことからドルが下落。113円21銭までドル安が進んだものの、ユーロドルなどではドルが買われたことで下落幅も限られた。ユーロドルはユーロ圏PMIが4年半ぶりの低水準だったことでユーロ売りが加速。ユーロドルは約2週間ぶりに1.13台を割り込み、1.1270まで売られる。

 株式市場は大幅下落。欧州や中国など世界景気が鈍化するとの見方から株価が大きく売られる。ダウは496ドル下げ、2万4100ドル台に沈む。S&P500も50ポイント下げ、4月以来の安値を記録。債券相場は反発。長期金利は再び2.9%を割り込み、2.889%台に低下。金と原油は下落。

11月小売売上高 → 0.2%
11月鉱工業生産 → 0.6%
11月設備稼働率 → 78.5%

ドル/円   113.21 ~ 113.67
ユーロ/ドル 1.1270 ~ 1.1308
ユーロ/円  127.98 ~ 128.26
NYダウ   -496.87 → 24,100.51ドル
GOLD   -6.00   → 1,241.40ドル
WTI    -1.38   → 51.20ドル
米10年国債 -0.024  → 2.889%

本日の注目イベント

欧  ユーロ圏11月消費者物価指数(改定値)
欧  ユーロ圏10月貿易収支
米  12月NY連銀製造業景況指数
米  12月NAHB住宅市場指数

 米株式市場が再び大幅な下げを見せ、市場のクリスマス気分を吹き飛ばすような下落幅を記録しています。この日発表された米11月の小売売上高は+0.2%と、市場予想を上回り、さらに先月分も上方修正され、好調な米国の個人消費を裏付けるものでしたが、欧州と中国で景気悪化の指標が相次いで発表されたことに株価は反応しました。

 中国の成長が鈍化しているとの懸念がアジア市場で株価の下落を引き起こし、追い討ちをかけるかのように、ユーロ圏のPMIが4年半ぶりの低水準だったことが、米国株の下落に拍車をかけました。中国、欧州に比べ、米景気の好調さが際立っており、ドルが買われる流れにつながっています。

 ユーロドルは再び1.13のサポートを割り込み、1.1270までドル高ユーロ安が進み、ドル円も一時は売れられたものの、ドル高の流れの中ではドル下落も限定的でした。ここでも、欧州通貨の動きにドル円が引っ張られる展開となり、ドル円自体に動きがないことから、今後も欧州通貨の動きには目配せが必要です。

 ECBは先週、計画通り今月で債券購入プログラムの終了を確認しました。この結果、焦点はいつ金利正常化へのスタートができるのかという点に移ってきました。ドラギ総裁は会見の席で、「少なくとも2019年夏の終わりまで据え置く」と表明しましたが、域内景気が思っていた以上に冷え込んでいる可能性が出てきたことで、2019年度内の利上げはないのではないかといった見方も出ているようです。

 今週は18-19日に今年最後のFOMCが開催されます。すでに街はクリスマスモードに入っており、このFOMCが今年最後の大きなイベントで、その後市場は閑散期に入ると思われますが、今年はそうとも言い切れません。上述のように、先週末には株価が大きく売られ、今後の欧州や中国の経済指標も注目されます。ユーロやポンドの動きが波乱要因となり、ドル円も例年のように「ベタナギ」という訳にはいかないかも知れません。

 特にドル円は、秋口から動きが少なく、異例とも言える「低ボラティリティー」が続いています。そのため、市場参加者のストレスも「高水準」だと思われ、何かのきっかけで予想外の大きな動きを見せるかもしれません。可能性は低いでしょうが、突発的な動きに対するいつも通りの慎重なスタンスを維持しておきたいものです。

 本日は再びドル円の上値は重い展開が予想されます。先週は一時113円71銭までドル高が進んだものの、株価の下落がややリスクオフにつながって、ドル円を下押ししましたが、引き続き欧州通貨の動きに引っ張られる展開が見込まれます。

 予想レンジは112円80銭~113円70銭程度といったところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)