ドル円は小幅ながら続伸。米中貿易問題の先行きに楽観的な見方が出て、さらに英国ではメイ首相の不信任案が否決されたことが好材料に。ドル円は113円台半ばを超え、113円71銭まで上昇。ユーロドルはドラギ総裁が会見で、域内の景気に不透明感が残ると発言したことを材料に1.1331まで下落。その後は下げ幅を縮小したものの買いは続かず。

 株式市場はまちまち。ダウは米中交渉の進展を好感し70ドル高と、続伸したが、ナスダックは27ポイントの下落。債券相場はほぼ横ばいながら、長期金利は小幅に上昇。金は反落。原油価格はサウジが米国の製油所への出荷を減らす用意をしているとの報道が買い材料に。前日比1ドル43セント上昇し、52ドル台半ばで取引を終える。

新規失業保険申請件数 → 20.6万件
11月輸入物価指数  → -1.6%

ドル/円   113.45 ~ 113.71
ユーロ/ドル 1.1331 ~ 1.1388
ユーロ/円  128.70 ~ 129.19
NYダウ   +70.11 → 24,597.38ドル
GOLD   -2.60  → 1,247.40ドル
WTI    +1.43  → 52.58ドル
米10年国債 +0.004 → 2.913%

本日の注目イベント

日  10月鉱工業生産
中  中国 11月小売売上高
中  中国 11月鉱工業生産
独  独12月製造業PMI(速報値)
独  独12月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏12月製造業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏12月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏12月総合PMI(速報値)
米  11月小売売上高
米  11月鉱工業生産
米  11月設備稼働率

 ドラギECB総裁は理事会後の記者会見で、地政学的問題や貿易の保護主義、市場の不安定などさまざまな懸念があると指摘。昨日この欄でも触れたように、正常な金融政策に戻る道のりは思った以上に遠いことが確認されました。ユーロドルは会見を受けユーロ売りが先行し、1.1331前後まで下落しましたが、会見の内容にサプライズはなかったことで、その後下落分を埋めています。

 ドラギ総裁は、リスクは依然として「おおむね均衡」しているものの、「下方向に向かいつつある」との認識を示し、金利は「少なくとも2019年夏の終わりまで」据え置くことを表明しました。さらに総裁は、入ってくるデータが「予想よりも弱かった」との見方を示し、「成長の勢いが今後弱まることを示唆している可能性がある」と述べています。(ブルームバーグ)これは、ユーロ圏を牽引しているドイツのことを指していると思われ、中国経済との結びつきが強いドイツは、すでに中国景気の鈍化の影響を受けています。

 米中通商交渉では、妥協点をさぐりさまざまな交渉が行われているようですが、交渉期限が来年2月末までと決められているため、合意に達するかどうかは不透明です。懸念材料は残ります。中国がカナダ人2人を拘束し、両国の関係に緊張が高まっています。中国当局は「法律に基づいて拘束している」としていますが、カナダでファーウェイの副会長が逮捕されたことへの「報復」との見方が強まってます。

 ファーウェイ副会長は米国の要請を受けてカナダ当局が逮捕したと伝えられており、今後は身柄を米国へ引き渡すのかどうかが焦点と思われます。米中通商交渉に直接の影響はないとみられますが、トランプ大統領は「必要とあらば政府が介入することも辞さない」と述べています。仮に合意に至らない場合には、中国景気がさらに悪化すると見られ、直近第3四半期は6.5%だったGDPも、5%まで低下するとの、一部観測もあります。

 ドル円はゆっくりと113円台半ばを抜き、113円71銭まで上昇してきました。動きを見るとクリスマスシーズン特有な動きのようにも思えますが、「閑散に売りなし」の言葉通り、緩やかな上昇を見せています。今週、「テクニカルに身を委ねるのも一考」と書きましたが、現時点ではそのような動きを示しています。ドル円は、114円55銭を頂点とする日足のレジスタンスラインで一旦は上昇を抑えられています。年末に向かっていることもあり、113円50銭から114円の間には、実需のドル売り注文が相当控えていることは容易に考えられます。このドル売り注文をこなして114円台に乗せることが出来るのかどうかが焦点です。

 本日のドル円のレンジは113円10銭~113円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)