ドル円は小動きながら緩やかに下落。米株式市場の反発にも反応せず、113円14銭まで下落。ポンドが対ドルで買われたことによる連れ高の側面が強かった。ユーロドルも同じような展開となり1.1388までユーロの買い戻しが進む。株式市場は反発したものの、相変わらず荒っぽい動きとなり、一時450ドルを超えて上昇したダウは157ドル高で取引を終える。ナスダックは66ポイントの上昇。債券相場は3日続落。長期金利は2.91%台まで上昇。金は3日ぶりに反発。原油価格は50セント安で引ける。

11月消費者物価指数        → 0.0%

ドル/円113.14 ~ 113.43

ユーロ/ドル1.1340 ~ 1.1388

ユーロ/円 128.57 ~ 128.87

NYダウ  +157.03 → 24,527.27ドル

GOLD +2.80 →1,250.00ドル 

WTI -0.50 → 51.15ドル 

米10年国債  +0.031 → 2.910%

 
本日の注目イベント

トルコ 中銀、政策金利発表
独   11月消費者物価指数(改定値)
欧   ECB政策金利発表
欧   ドラギ・ECB総裁記者会見
米   新規失業保険申請件数
米   11月輸入物価指数

 ここ数日大きく売られていたポンドが、保守党が実施する不信任投票でメイ首相が信任されるとの観測が強まり、対ドルで1.25台前半から1.26台半ばまで100ポイント以上買い戻され、今週に入って下落した半分以上を取り戻した形です。

 ユーロドルも結局、1.13を一度も割り込まずに反発し、昨日は1.1388までユーロ高が進みました。いずれも、「ショート筋の買い戻し」の域を出ず、ロングを積み上げるというタイミングではなさそうです。欧州通貨がドルに対して反発したことで、ドル円もその流れの中でゆっくりと下落しており、113円台は維持していますが、113円50銭あたりが壁になる可能性も出てきました。特に昨日の東京タイムでは、久しぶりに株価が大きく上昇し、日経平均株価は450円を超える上昇を見せたものの、ドル円はほとんど反応せずに、むしろじり安の展開でした。昨日に限って言えば、株価の動きは材料にならなかったようです。

 NY時間では11月の消費者物価指数(CPI)が発表されました。コアCPIは前月比0.2%の上昇で、前年同月比では2.2%の上昇でした。いずれも市場予想と一致しており、来週のFOMCの政策決定にはニュートラルと見られます。つまり市場予想通り、今年4回目となる0.25%の利上げを決めると見られます。パウエルFRB議長は11月28日の講演で、「金利は中立をわずかに下回る」と発言し、これをきっかけに利上げ観測が急速に後退し、市場では「利上げ停止」も近いのではとの憶測まで出てきました。

 パウエル議長は中立金利を「景気を加速させないし、減速もさせない」と「定義」(?)していました。現在政策金利は2.00%~2.25%で、このレンジ内にフェデラルファンド(FF)金利を誘導しようというものです。一般的に米国の中立金利は、物価へ影響を与えない自然利子率と同義語とすれば3.0~3.5%と見られていますが、パウエル議長の発言をヒントにするならば、限りなく3.0%に近いものと推測されます。FF金利の誘導目標上限を基準とすれば、あと0.5%の引き上げで中立金利に達することになります。来週のFOMCで0.75%引き上げれば、2019年に2回だけ金利引き上げが実施されて、「終了」ということになります。3年債利回りと5年債利回りが逆転して「逆イールド」が示現した背景にも、このような観測が強まったことがあります。米金利の上昇が限定的であれば、日米金利差との相関が高いとされるドル円は今後それほど上昇しないということにもなります。今年も実質的には残り2週間となり、2019年度の相場展望が意識される時期になってきました。「2019年には円高が進む」と予想する根拠には、このような見通しに基づいているものが多いと思われます。

 このところドル円自体に材料がないため、欧州通貨の動きに連動しやすいドル円ですが、今夜はECBの理事会後のドラギ総裁の会見が重要かと思われます。今月で資産購入プログラムを終了することは決まっていますが、その後の正常な金融政策への道のりがやや不透明になってきました。来年秋口は政策金利引き上げと見込まれていましたが、ユーロ圏ではフランスの大規模なデモをはじめ、混乱が続出している状況です。正常化への道は予想以上に遠いのかもしれません。
本日のドル円は112円70銭~113円60銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)