三井住友トラスト・アセットマネジメントは12月9日、「コアラップ」保有者を対象とした「SuMiTAM投資セミナー」を開催し、同社担当部長の百瀬順治氏(写真)が「コアラップ」の運用の現状と、新たに追加した2つのコースについて解説した。

 「コアラップ」は、国内外の株式や債券、ヘッジファンドやコモディティーなど幅広い資産に分散投資して中長期的に安定した収益確保をめざす同社を代表するバランス型ファンド。2012年8月に設定。ポートフォリオの安定性を重視した「安定型」、安定性と収益性のバランスを重視した「成長型」、そして、短期的な市場環境の変化に対応して資産配分を「安定型」と「成長型」の間で入れ替える「切替型」の3コースがある。

 百瀬氏は、これまでの運用を振り返り、「『コアラップ』の運用成績は、おおむね各資産の年間パフォーマンスの真ん中に位置し、安定運用の期待に応えてきた。設定来の累積収益率は『成長型』で25.6%、年率平均3.8%という成績だった。ただ、投資開始タイミングによっては、ずっと含み損を抱えている方もいらっしゃる。チャイナショックのあった2015年には『成長型』はマイナス8.2%だった。2016年以降は2%前後のプラスを積み重ねているものの、2015年の前半で購入された方は、2015年のマイナスを未だに取り返せずに含み損のままになっている」とした。

 「コアラップ」の運用面での対策は、相対的に株式優位の局面が続くとの想定のもと、「攻めの強化」としてヘッジファンドなどの「守りの資産」から、株式などの「攻めの資産」へと段階的にシフトしている。「成長型」では2012年当時は19%だった株式への配分比率を2018年には34%にまで高め、35%だったヘッジファンドへの投資比率は22%に低下した。また、チャイナショックの反省を踏まえて、ヘッジファンドは投資対象ファンドを見直した。そして、株式市場の急落時には、円高が進行し外貨建て資産の下落率が拡大する傾向があることから、円高時に下落抑制効果が期待できるゴールド(金)(為替ヘッジあり)を組み入れ、円高リスクへの備えを強化した。

 同社では、当面の市場環境について、「米国経済の成長が続き、米国が世界経済をけん引する一方、さまざまなリスク要因も存在し、市場の変動性が高まる」と見通している。世界経済は、景気の循環によって一時的な停滞局面はあっても、世界の人口増加やそれにともなう新興国の生活水準の向上等の大きな潮流によって、株式市場には中・長期的な成長が期待できるとみている。

 そこで、新たな取り組みとして、高い収益が期待できる株式・新興国の資産組み入れ比率が高く収益性を重視した「積極成長型」のコースを新設した。「成長型」の資産配分割合では34%だった株式の組み入れ比率を、「積極成長型」では48%に高めた。そして、「安定型」(株式比率23%)と「積極成長型」の範囲でポートフォリオの投資割合を調整する「切替型ワイド」を新設した。

 「切替型ワイド」では、株式市場等の市場上昇にともなって株式の投資比率を引き上げ、ピークでは株式の投資比率を48%にする。逆に市場の下落に伴って株式の組み入れ比率を「安定型」の23%まで落としていく。「リスクオン局面など、市場環境により柔軟に対応するなど、市場環境に合わせた保有をお考えの場合は、『切替型ワイド』等をご活用いただき、長期で保有する投資が考えられる」という。また、「考えに合わせた保有もより柔軟にできる。たとえば、安定性を重視して『コアラップ』を保有していたが、より収益性を重視したいという考えに変わった場合、『積極成長型』にスイッチングできる。スイッチングに当たって、手数料は発生しない」と語った。

 その上で、「コアラップ」のように、広く分散投資するポートフォリオで資産運用する場合、長期で複利で増やすことが大きなポイントになると解説した。たとえば、国内株式・国内債券・先進国株式・先進国債券の4資産に均等投資(月次リバランス)した場合、1年間保有のリターンではリターンのバラツキが大きく、過去25年間で7回のマイナスリターンがあったが、5年保有だとマイナスリターンは3回に減少し、10年保有するとマイナスリターンはゼロとなり平均で年3.9%の収益率が確保できた。

 また、「たとえば、年率5%の複利運用を考えると、30年間の累計収益額は、最後の10年間で全体の収益の50%を稼いでいる。資産形成においては、長期保有の複利効果で収益が拡大するまで、『いかに待てるか』がポイントになる」と解説した。(情報提供:モーニングスター社)