ドル円は急反発。東京市場で112円24銭前後まで売られたドル円は、NY市場ではポンドやユーロが対ドルで大きく下落したことで、円売りも加速。113円37銭まで円安が進みこの日の高値圏で引ける。ユーロドルは1.14台前半から下落。ポンドの下落に歩調を合わせ、1.1351までユーロ安が進行。ポンドは大幅下落。メイ首相が議会での採決を延期すると発表したことで、EUからの「合意なき離脱」の可能性が高まりポンド売りが加速。ポンドドルは1.2509前後まで売られ、約1年8カ月ぶりの安値に。

 株式市場はイギリス議会の混迷を嫌気して朝方から大幅に下落。ダウは500ドルを超える下落を見せたが、その後急反発。結局、小幅ながらプラス圏で取引を終える。債券相場は8日ぶりに反落。長期金利は2.85%台まで上昇。金は3日ぶりに反落。原油価格は再び大幅に下落。世界景気の減速が蒸し返された。


ドル/円   112.69 ~ 113.37
ユーロ/ドル 1.1351 ~ 1.1429
ユーロ/円  128.25 ~ 128.94
NYダウ   +34.31 → 24,423.26ドル
GOLD   -3.20  → 1,249.40ドル
WTI    -1.61  → 51.00ドル
米10年国債 +0.014 → 2.859%


本日の注目イベント

独  独12月ZEW景気期待指数
英  英11月失業率
米  11月生産者物価指数


 ドル円は予想外の反発でした。昨日の東京時間に、日経平均株価が一時500円を超える下げとなった時に、112円24銭前後までドル安が進みましたが、その後は株価がマイナス圏で大きく推移していながらも、ドル円はゆっくりと上昇に向かいました。株価の下げに対する抵抗力がさらに増したよう印象でしたが、海外市場ではさらに買われ、113円37銭まで急反発しています。

 昨日は112円台が維持できるかどうかに注目していましたが、同時にその前段階として、先週木曜日につけた112円23銭を抜けるかどうかにも注目していました。結局、この水準で下げ止まり、NY市場での113円台につながったことになります。結果的には、「1時間足」の「120時間移動平均線」に支えられた形で反発しました。ユーロや、ポンドが対ドルで売られたことも、ドル円での円売りにつながった側面もありますが、昨日はドル高と言うよりも、主要通貨が弱かったと言った方が正しいのかもしれません。

 予想されたことでしたが、イギリスのメイ首相は本日予定されていたEU離脱に関する議会採決の延期を発表しました、採決をしても承認が得られず、議会が混乱することを避けたようですが、EU側は合意案の再交渉は行わないと明言しており、EUのトゥスク大統領はツイッターで「われわれは合意の再交渉を行わない。しかし、批准をいかにうまく進めるかを議論する用意はある」と述べています。(ブルームバーグ)

 この発表を受けて市場は、「合意なき離脱」の可能性が高まったとして、ポンド売りを加速させ、ポンドは対ドルで1.26台半ばから150ポイントほど売られました。一時は1.2509前後を付け、2017年4月以来となるポンド安を記録しています。政府が議会に報告する期限である来年1月21日までに合意が取りまとめられない可能性も出てきたようです。

 燃料税引き上げに反対して始まったフランスのデモは、隣国ベルギーにも波及したようです。ベルギーの首都ブリュッセルでも1000人規模のデモが8日にあり、約400人が警察に拘束されたようです。マクロン仏大統領は事態収拾のため、労働組合や仏経団連の代表と面会し、協議を行っていると伝えられていますが、これもユーロ売り材料と見られ、昨日はポンドと共に、ユーロも売られました。昨日のNY市場では、朝方から株価が大きく売られ、長期金利は小幅に上昇したものの、ドル円が買われる理由を見つけにくい状況でしたが、やはり、「ドル買い・欧州通貨売り」の波に飲まれて上昇したと見られます。

 本日のドル円はそれほど上値を試すとも思えません。ただ、欧州時間にユーロやポンドがさらに売られるようだと、113円台半ばを試す可能性はあります。予想レンジは112円60銭~113円50銭程度でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)