株価が先週も大荒れだったのに対して、為替は相変わらず、地味な値動きでした。が、ちょっと重要な局面に差し掛かっている可能性があります。米ドル円相場は、株価が大荒れだったこの2カ月以上の間、およそ111円台~114円台の範囲で行ったり来たり。わずか値幅3円以内の狭い範囲で、ほぼ横ばいの推移が続いています。重要な局面に差し掛かっている可能性があると書きましたのは、特に、下方(円高方向)の節目に接近しているからです。具体的には112円台半ば~後半の水準。このあたりにサポート帯が位置しておりまして、先週はしっかり下支えされて踏ん張りましたが、今週も引き続き、サポート帯を割れるかどうかが注目されます。サポート帯(112円台半ば~後半)を割り込んでしまった場合、これまでの保ち合い局面において蓄積された相場エネルギーがそんなに小さくないだけに、久しぶりに、ややしっかりした円高トレンドが発生しやすくなると考えられます。現時点ではまだこれを言うのは早いかもしれませんが、もしそうなった場合、具体的な円高メドとしましては、少なくとも110円近くが第一に浮上します。さらに言えば、確率は高いとは言えませんが、最大で108円~107円あたり。つまりここ半年くらい続いた緩やかな円安の流れを帳消しにするくらいの円高ならば起こり得るとの見方もできますので、一応、可能性としては、それくらいの変動もあるかもしれないということを頭に入れておきたいです。
 
 先々週から注目通貨として掲げておりますユーロ円。先週も一時的に1ユーロ=127円台に突入する場面はあるものの、結局は、週末も128円をキープ。非常にしぶとく、サポート帯(128円あたり)で踏ん張っている状況です。今週も引き続き、サポート帯を完全に割り込んだ場合には、ユーロ安(円高)が拡大しやすいとの見方になります。その場合は、年初来安値(124円台)に接近したり、それを少し下回るくらいの大きめの値動きに発展する可能性もあります。
 
 豪ドル円が先週は、下落の動きが目立ちました。(高値1豪ドル=84円近く→ 週末81円)。何度か書いておりますように、オーストラリア経済は、昔と比べて近年は、中国への依存度が高くなっており、そのため中国についての不安材料が出ると、豪ドルが売られる傾向が強まっています。短期的なチャート分析の観点では、この81円台で踏ん張れるかどうかが重要でして、崩れた場合には、そのまま80円も通過して79円へと豪ドル安(円高)が加速しやすくなると考えられます。先々月の急落時と同じく79円あたりで止まればよいですが、最悪の場合は、年初来安値を更新して77円台も視野に入ってきます。
 
 為替相場は全体的には、まだはっきりした円高局面に入ってるわけではありませんが、主要通貨が、チャート分析上の重要なサポート帯に接近していることは確かであり、今週以降、もしかするとサポート帯を割り込んで、この年末は円高への流れが強まるシナリオも想定しておきたいところかなと思います。
 
 日経平均株価について。今月は、10月や11月の安値圏(2万1千円近く)に接近するとのシナリオを掲げてきましたが、完全にその通りになっており、まったく問題ないかと思います。問題はここからで、2つのシナリオが考えられます。1つ目は、このあたり(2万1千円近く)で底打ちしてここから反発に向かうシナリオ。まずこれが普通に考えられるわけですが、2つ目は、ここからさらに下落が進んで、10月や11月の安値を完全に下回るシナリオ。ただその場合でも、具体的には2万600~700円あたりが下落メドとして浮上しますので、仮に、先月の安値や先々月の安値を下回る展開になっても、あたふたせずに、むしろ安く買えるチャンスという見方でよいのではないかなと思います。確率は非常に低いながらも、隠れた3つ目の最悪のシナリオとして、10月の暴落の残り火的なものがまだあると仮定した場合、その最後のエネルギー(下げ圧力)が完全に放出されるシナリオが考えられるならば、一時的に2万円を割れて、1万9千円台に突入するシナリオもまったくないあり得ないわけではありません。が、そんな場面がもしあるなら、それこそ大チャンスなので積極的に買い出動すべきでしょうが、このシナリオは可能性は非常に低いです。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)