ドル円は大幅に下落し、112円23銭前後まで下落。ファーウェイの副会長が逮捕されたことで米中関係がさらに悪化するとの見方から円を買う動きが加速。その後はやや値を戻し、112円65-70銭で引ける。ユーロドルでも、ドルが売られたことでユーロが上昇。1.14台前半までユーロ高が進むも、再び1.13台に押し戻される。

 株式市場はアジア株の大幅下落を受け朝方から大幅な下落で始まる。ダウはファーウェイの副会長が逮捕されたこともあり、一時は785ドルの大幅下げに。ただその後は急速に下げ幅を縮小し、79ドル安で引ける。一方ハイテク株が買われたことで、ナスダックは28ポイントの上昇。債券相場は続伸し、長期金利はさらに低下し、2.89%台に。金は小幅ながら反発。原油価格はOPECでの減産合意ができずに総会を終了したことで大幅下落。前日比1ドル40セント下落し、51ドル台半ばで取引きを終える。


11月ADP雇用者      → 17.9万人
11月ISM非製造業景況指数 → 60.7
新規失業保険申請件数     → 23.1万件
10月貿易収支        → -555億ドル

ドル/円   112.23 ~ 112.82
ユーロ/ドル 1.1346 ~ 1.1412
ユーロ/円  127.67 ~ 128.31
NYダウ   -79.40 → 24,947.67ドル
GOLD   +1.00  → 1,243.60ドル
WTI    -1.40  → 51.49ドル
米10年国債 -0.022 → 2.892%


本日の注目イベント

日  10月景気動向指数
中  中国 11月外貨準備高
独  独10月鉱工業生産
独  独メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)党首選
欧  ユーロ圏7-9月期GDP(確定値)
米  11月雇用統計
米  12月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
米  10月消費者信用残高
米  ブレイナード・FRB理事講演
加  カナダ11月就業者数
加  カナダ11月失業率


 昨日も日本株が下げ止らず、朝方113円台だったドル円は、株価の下落が大きくなるにつれて下落しました。前日に下げ渋ったことで底堅い動きを見せた日本株でしたが、この日はあっさりと500円超える下落に、112円58近辺まで円高が進みました。欧州市場では再び113円台に戻す場面もありましたが、NY市場では朝方から株価が大きく売られ、ドル円も112円23銭まで売られています。

 中国の通信機器大手ファーウェイの副会長が逮捕されたことで、米中間に「新たな火種」が発生し、今後の貿易戦争にも悪影響を与えかねないといった見方から、NY株式市場の朝方には米国株が大きく売られました。ダウは一時785ドルの下落を見せましたが、その後は急速に下げ幅を縮め、引け値では79ドル安に収まっています。この為、日足チャートでは「長い下ひげ」を示現しています。この「長い下ひげ」は、長ければ長いほど、買い圧力が強かったことを示し、過去の経験則から言えば、短期的な底値を付けた可能性があります。因みにナスダック指数は、プラス28ポイントで取引を終えています。

 10月の米国の貿易収支が発表されました。貿易赤字額が555億ドルと前月から拡大しており、対中国との赤字額は過去最高に膨らんでいました。米国の中国製品に対する関税率が25%に引き上げられる可能性があることから、その前に輸入しておこうという、駆け込みの動きが輸入額を拡大させたようです。一方輸出額の方は、中国が米国に対して報復関税を実施していることから減少しており、その結果赤字額が拡大しました。ただ、中国が米中首脳会談直後に米国から大豆とLNGを輸入することを発表しており、駆け込みの反動も見込めることから、来年からは米国の対中貿易赤字額は減少に向かうと予想されます。

 ドル円は112円23銭前後で下落を抑えられましたが、これは「日足」の雲の下限が支えた形になっています。「MACD」を見ると、デッドクロスは示しているものの、依然として「プラス圏」での推移です。この先、マックD、シグナルの両線が「マイナス圏」に突入するようだと、ローソク足も上記「雲の下限」を下抜けすることになり、トレンドの転換が意識されることになるため、この水準は重要な値位置と言えます。今夜の雇用統計への期待もありますが、仮に指標が上振れしたとしても、上値は限られそうです。

 株価の下げが止らず、頼みの米長期金利も3%を大きく割り込んできている状況下では、市場のセンチメントも徐々にドル安へと傾いてきた印象です。中国から予想外のポジティブなサプライズでも出ない限り、ドルが下値を緩やかに切り下げていく可能性が高まってきました。112円という水準が目先の分水嶺という気もします。仮に112円を割り込むようだと、10月29日以来の111円台ということになります。

 本日のドル円は112円20銭~113円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)