翌日に「米中首脳会談」を控え、ドル円は動きにくい展開に。株価の動きに伴い113円73銭前後まで上昇したものの、米長期金利が低下したことで113円41銭まで売られ、この水準で越週する。ユーロドルは水準を下げ、1.1306まで下落したが、その後1.13台半ばまで戻す。

 株式市場は反発。「米中首脳会談」の結果については見方が分かれたものの、買い物が優勢となり、ダウは199ドル上昇。債券相場は続伸。重要イベントを控え安全資産の債券が買われ、長期金利は2カ月半ぶりに3%の大台を割り込む。金、原油はともに反落。


11月シカゴ購買部協会景気指数 → 66.4

ドル/円   113.41 ~ 113.73
ユーロ/ドル 1.1306 ~ 1.1369
ユーロ/円  128.29 ~ 129.08
NYダウ   +199.62 → 25,538.46ドル
GOLD   -4.40   → 1,226.00ドル
WTI    -0.52   → 50.93ドル
米10年国債 -0.042  → 2.988%

本日の注目イベント

豪   豪10月住宅建設許可件数
中   11月財新製造業PMI
トルコ トルコ11月消費者物価指数
欧   ユーロ圏11月製造業PMI(改定値)
米   11月自動車販売台数
米   11月ISM製造業景況指数
米   カプラン・ダラス連銀総裁講演


 世界中が注目した「米中首脳会談」は、直前まで会談の成果を巡る見方が分かれており、個人的には、「何らかの合意があり得る」と予想していましたが、結果は、来年1月から予定されていた中国への追加関税引き上げが先送りされ、最悪の事態は避けられることになりました。

 米国が追加関税を課すことを猶予した形ですが、90日という期限を設け、その間に行われる米中協議で合意がなければ関税引き上げを行うというものです。トランプ大統領はこの会談を「首脳同士によるすばらしい取引だ」と評価し、ホワイトハウスも「大成功だった」との声明を発表しています。また中国側も会談を成功と捉えており、今回の追加関税引き上げ猶予だけではなく、500億ドル分についても取り消す方向で協議するとの認識を持っているようで、会談の成果については米中の間に温度差があるようです。

 G20首脳会議でも、貿易や移民、気候変動などの問題で激しい論争が展開されたようですが、首脳宣言では、結局米国の反対で「保護主義と闘う」という文言は削除されて採択されています。おそらく、トランプ大統領にとっては、この部分でも「成功」だったのでしょう。マスコミの論調でも、10年を経た「G20」そのものの存在意義に疑問を投げかける意見も少なくありません。「G20」は、来年からは舞台が「大阪」に移され、議長国は日本になります。今や米国にもっとも親しい国である日本が、果たして保護主義にまい進する米国を「自由主義」の世界に戻るよう説得できるのかどうか、議長国としての手腕が注目されます。

 「米中首脳会談」の結果を受け、ドル円は早朝に113円85銭前後まで買われたようです。ひとまず最悪の事態は避けられたということでドル買いが先行していますが、株式市場の方も、会談の結果を好感して上昇するものと予想されます。本日の日経平均株価は200~400円程度上昇すると見ていますが、その際ドル円がどこまで買われるのか注目です。

 また今夜のNY市場の動きも気になるところです。先週末のNY株式市場では、「米中首脳会談」に対する見方が錯綜しながらもダウは200ドル余り上昇して取引を終えています。今夜もう一段上昇することができるかどうかも、ドル円が114円台を回復できるかどうかに関係してきます。

 本日の予想レンジは113円40銭~114円20銭程度と見ていますが、世界の投資家がどのような反応を見せるのかどうか注目です。ひとまず円高要因が一つ取り除かれたと思われますが、先週末には米長期金利が3%を割り込むなど、ドルを買い進める材料にも変化が出ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)