ドル円はアジア市場の流れを受け、利上げ打ち止め観測を材料に113円19銭まで下落。その後米中首脳会談への楽観的な見方から113円55銭まで値を戻す。ユーロドルは反発。1.14台乗せまでユーロ買い戻しが進む。米中首脳会談を前に、ポジションを縮小する動きと見られる。

 株式市場は続伸しプラス圏で推移していたが、引けにかけて値を崩す。ダウは27ドル下落し、S&P500もマイナスで引ける。債券相場はFOMC議事録を受け反発。長期金利は一時3%を割り込む場面もあったが、3.03%台で引ける。金は続伸し、原油は反発。


10月個人所得         → 0.5%
10月個人支出         → 0.6%
10月PCEコアデフレータ   → 1.8%
新規失業保険申請件数      → 23.4万件
10月中古住宅販売件数成約指数 → -2.6%

ドル/円   113.19 ~ 113.55
ユーロ/ドル 1.1363 ~ 1.1402
ユーロ/円  128.80 ~ 129.28
NYダウ   -27.59 → 25,338.84ドル
GOLD   +0.60  → 1,230.40ドル
WTI    +1.16  → 51.45ドル
米10年国債 -0.029 → 3.030%

本日の注目イベント

日  10月失業率
日  10月東京都区部消費者物価指数
日  10月鉱工業生産
中  11月製造業PMI(速報値)
中  11月非製造業PMI(速報値)
中  11月コンポジットPMI(速報値)
独  独10月小売売上高
欧  ユーロ圏10月失業率
欧  ユーロ圏11月消費者信物価指数(速報値)
米  11月シカゴ購買部協会景気指数
米  ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
加  カナダ7-9月期GDP
アルゼンチン G20(ブエノスアイレス、12月1日まで)


 前日のパウエルFRB議長の発言で、今後の利上げ回数観測を下方修正しなければならない状況になってきましたが、昨日公表された今月7-8日開催のFOMC議事録でも、漸進的な利上げに関してより柔軟なアプローチが採用されることが示唆されていました。

 議事録では、FOMC会合後に発表される声明文について、今後数回の会合で「修正」する必要性が出てくる可能性があると指摘しており、特に、「さらなる漸進的な引き上げ」という部分が想定されているようです。パウエル議長は講演で、「金利は中立をわずかに下回る」と発言しましたが、これでFOMCメンバーの多くが、現在の政策金利の水準が、中立金利に近いとの認識を持っていることが判明したと言えます。

 もちろん、その場合でも今後の経済データがより重要な判断材料になってきますが、12月の利上げは確実視されている中、来年以降の利上げが不透明になってきました。その鍵を握る一つが、今週土曜日の「米中首脳会談」の結果ということになります。

 今朝のブルームバーグは、会談を前にしたトランプ大統領の言葉を伝えています。トランプ氏はホワイトハウスで「中国と何かすることで極めて近い状況であると思う。だが自分がそれをしたいかは分からない。現時点で、関税などの形で米国に何十億ドルも入ってきているからだ」と述べ、さらに「取引する可能性は否定しないが、正直なところ私は現時点での取引が気に入っている」と語っています。

 同ニュースはさらに事情に詳しい関係者の話として、米国が中国側の譲歩と引き換えに、対中関税の引き上げを遅らせるという「停戦」の可能性が協議の焦点になるとし、ロス商務長官らが明言しているような、さらなる協議に向けた「枠組み」でも合意する可能性があることを紹介しています。少なくとも、この記事を読むと「米中会談」からは、少し早めのクリスマスプレゼントが届くような気がしないでもありません。

 ただ一方では、昨日トランプ大統領の指示を受け米通商代表部(USTR)は、中国製自動車の関税引き上げを検討すると発表しました。中国から米国への自動車の輸入はそれほど多くはありませんが、現在、制裁関税を含めて27.5%の関税をかけているものを、40%に引き上げる考えを示しました。米国にとって貿易赤字の多くの部分を占める自動車ですが、この成り行きは来年1月から始まる日米物品貿易協議(TAG)にも影響をあたえそうです。

 「米中首脳会談」は、1日(土)ブエノスアイレスで夕食時に行われる予定です。日本時間日曜日の午前中には会談の結果も判明していると思われます。来週月曜日の早朝は、どちらにしても相場は動くと考えておくべきでしょう。

 本日のレンジは113円~114円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)