ドル円は続伸し113円84銭前後まで上昇。株価が上昇し、ユーロが対ドルで売られたことも円を売る動きにつながった。ユーロドルは再び1.13を割り込み、1.1277まで下落。トランプ政権が来週にも輸入車に対して関税を導入する可能性があると、ドイツ誌が報じたことが手がかりとなった。

 株式市場はマイナス圏で取引が始まったが、午後には切り返しプラスに転じた。米中貿易交渉にやや楽観的な見方が広がり、ダウは108ドル高。他の主要株価指数も揃って上昇。債券は小動きながら小幅に買われる。長期金利は3.05%台へとやや水準を下げる。金は続落し、原油も小幅に反落。


9月FHFA住宅価格指数    → 0.2%
9月ケース・シラ-住宅価格指数 → 5.1%
11月消費者信頼感指数     → 135.7

ドル/円   113.48 ~ 113.84
ユーロ/ドル 1.1277 ~ 1.1337
ユーロ/円  128.35 ~ 128.73
NYダウ   +108.49 → 24,748.73ドル
GOLD   -0.90   → 1,213.40ドル
WTI    -0.07   → 51.56ドル
米10年国債 -0.004  → 3.057%

 
本日の注目イベント

独  独12月GFK消費者信頼感
欧  ユーロ圏10月マネーサプライ
米  7-9月GDP(改定値)
米  10月新築住宅販売件数
米  11月リッチモンド連銀製造業指数
米  パウエル・FRB議長講演


 昨日の東京市場では、朝方に113円60銭をつけたものの、その後は上値が重く、ジリジリと値を下げ113円40銭近辺まで下落しました。トランプ大統領が習主席との会談で状況が打破されると期待しつつも、進展が見られなければ追加関税を課す用意もあると述べたことが重石になっていました。

 その後海外市場に入ると、ドル円は緩やかな上昇を見せ、NY市場では113円84銭までドル高が進んでいます。米中首脳会議とFRBによる利上げが今後の相場に大きな影響をもたらすことは分かっていても、現時点でもその結果を読み切れない状況が続く中、昨日は株価の上昇がドルを押し上げた形でした。NY株式市場では、主要3指数が揃って上昇して取引を終えています。

 米中首脳会談は、ブエノスアイレスで開催される「G20」に合わせて行われますが、その会談は12月1日の夕食の席で行われると、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が明らかにしました。クドロー委員長はさらに、トランプ大統領は「われわれが取引できる可能性がかなりある」と考えており、「その可能性を排除しない」と、述べています。ドル円も、この発言を好感して上昇した側面があります。その上で、「行き過ぎた表現は慎みたいが、トランプ大統領はある程度の楽観を示した。その楽観を強め、新たな関係に踏み出す機会がわれわれにはある」と語っています。(ブルームバーグ)

 一方中国側では、劉副首相がドイツのハンブルグで開かれた会議で、自由貿易への「非常に大きな関心を中国と欧州は共有している」と述べ、さらに「関税引き上げはリセッション(景気後退)をもたらすのみで、貿易戦争がいかなる勝者もうまない」と指摘しています。首脳会談で、ある程度の合意が得られるのか、あるいは決裂してしまうのか、現時点では予想できませんが、どちらかといえば、決裂した場合のほうが市場へのインパクトは大きいと考えています。

 その場合、人民元がさらに売られ、上海株式市場が大幅な下落を見せ、円が買われる展開が予想されます。しかも、会談は土曜日に行われ、翌日曜日には結果が判明すると思われます。従って、月曜日のオセアニアから東京市場ではその影響が出てくると見られます。

 先週112円30銭まで下げたドル円は113円台を固めてきました。上述のように、米中首脳会の結果次第では、どちらにも振れる可能性はありますが、円以外の主要通貨でもドル高が進んでいることが、ドルロングにとってもやや安心感を醸成しています。重要なイベントを前に動きにくい状況ですが、本日は114円台を見ることができるかどうかが焦点です。

 予想レンジは113円20銭~114円10銭程度でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)