本日の南アフリカ中銀理事会は、6.75%への利上げが見込まれているが、実情は「据置き予想に比べると、利上げ予想が僅かに優勢」という程度だ。なお、大手通信社が公表している現地エコノミスト21人の予想は、利上げ11名に対して据置き10名と拮抗している。

 利上げ予想の根拠は、前回9月理事会で7名のメンバーのうち3名が利上げを主張した事と、声明でインフレの上ブレ見通しが示された事だ。これだけを見れば「利上げへの布石」と読むのが普通だろう。ただ、昨日発表された南ア10月消費者物価指数は、前年比+5.1%と前月(+4.9%)から加速したものの市場予想(+5.2%)には届かなかった。また、コア指数は前月から横ばいの+4.2%にとどまった。その上、原油価格は10月に記録した約4年ぶりの高値から30%前後も急落している。さらには、9月理事会以降のランド相場は主要通貨に対して上昇している。現時点では、南ア中銀のインフレ懸念が緩和している可能性もある。その結果、景気を冷やしかねない利上げを思い止まっても不思議ではないだろう。

 今回の南ア中銀の決定について、市場が織り込みきれていない事を考えると、初期反応は利上げならランド高、据置きならランド安の素直な反応を示すと考えられる。ただし、そこから先は声明の内容などを吟味しつつ、という場当たり的な展開となりそうだ。米国が感謝祭の祝日で市場参加者が限られる中、思いがけなく値幅が広がる可能性がある点にも注意しておきたい。(執筆:外為どっとコム 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)