SBIインシュアランスグループ <7326> は11月13日、2019年3月期第2四半期決算を発表した。経常収益は315億83百万、経常利益は6億54百万円だった。同社は今年9月に上場したばかりで、前年度は連結の中間決算を作成せず、前年同期比較がない。19年3月期通期の見通しは、経常収益が660億円(前期比6.1%増)、経常利益は17.5億円(同65.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7.7億円(同6.3%増)とした。当日に行った決算説明会で、同社代表取締役執行役員会長兼社長の乙部辰良氏(写真)は、「第2四半期は、損保事業で平年にない風水害の影響を受け当期利益で約4億円のマイナス影響が出たが、下期に取り返して期初予想の利益水準を確保したい」と語った。
 
 同社は、子会社を通じて損害保険事業、生命保険事業、少額短期保険事業を行うが、この3事業合計の保有契約件数は、17年9月末168万件が、今9月末は179万件へと順調に伸びた。損害保険主力の自動車保険は今9月末の保有契約101万件(5.3%増)と初めて100万件を突破した。また、実額補償タイプの「がん保険」は、9月末で3.2万件と前年同期比24.3%伸びた。
 
 一方、生保事業の成長ドライバーとして注力している住宅ローン向け団体信用保険(団信)は、2017年6月に住信SBIネット銀行に提供開始してから、大きく伸び始めた。9月末には契約件数13万件と前年同月比17.1%増となった。少額短期保険3社合計の保有契約高は、64.8万件と前年同月比7.4%増となった。
 
 乙部氏は、「自動車は水没すると全損になる。再保険等によるカバーはしているが、SBI損保でも影響を受けた。一過性の損害等の影響は約4億円だったが、18年10月に約80億円の増資を行ったため、下期はこの増資資金の運用益の上積み、さらに、経費の節減や業務プロセスの合理化などによって損保事業として4億円のマイナスを埋める努力をする」と語った。
 
 同社は今後、損保事業では「がん保険」、生保事業では「団信」、少額短期保険では新しい保険商品の開発やM&Aなどに注力して成長を図るという。
 
 損保事業は収益の98%を自動車保険が占めるところへ、実額補償型の「がん保険」を投入し、「一般のがん保険が定額給付型のところ、実際にかかった治療費を実額補償するがん保険は治療費を心配することなく先進医療や自由診療も受けられる。がん保険の加入率が4割弱で一段と加入率の上昇が見込まれる中、競争力のある商品として成長を期待している」(乙部氏)とした。
 
 生保事業では、団信について、今年6月から地域金融機関への提供を開始し、合計7機関に新たに提供を開始した。第2四半期までは新しい金融機関の団信はほとんど寄与しなかったが、12月に山口フィナンシャルグループ(山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行)がスタートするなど、下半期の上積み要因に期待される。また、「地域金融機関は、近隣の金融機関と競合関係にあり、保険料が安い団信として差別化のツールとして検討していただいている金融機関は多い」(同)とした。
 
 少額短資保険3社はM&Aで傘下に入れた会社ばかりだが、グループ化によって顧客基盤が拡大したことで、グループに合流して以降に契約高が大幅に伸びている。3社それぞれのクロスセリングの効果も出ていることから、当面は、「昨年秋に投入したSBIいきいき少額短期保険のペット保険など新しい顧客ニーズに対応した商品を投入していくことで順調な成長が見込める」(同)とした。また、小規模事業者が多いことから、引き続きM&Aの機会も探っているという。
 
 乙部氏は、「ネット保険の低コストを安い保険料で還元するモデルは、SBIグループの価格に敏感なお客さま志向に合っている。SBIグループ各社のお客さま約2400万人にアクセスすることで効率的な保険販売を実践し、一段と成長したい。通常の保険販売ではテレビ広告をはじめ多くの広告宣伝費を使って販促することと比較して、SBIグループのお客さまに保険商品を紹介する際にはほとんどコストがかからない。この経費節減の効果を保険料で還元しているのが当社の強みになっている」と語った。
 
 配当政策については、「当面は利益を事業の拡大に回したい。なるべく早く配当できるようにしたいが、まずは、事業の拡大による株価の上昇で株主への還元としたい。株価の評価につながるような業績を残していくことが使命だと考えている」とした。(情報提供:モーニングスター社)(写真は、決算説明会に臨んだSBIインシュアランスグループ代表取締役執行役員会長兼社長の乙部辰良氏)