ドル円は113円台を回復。米雇用統計が予想を超え、長期金利も再び3.2%台に乗せたことからドルを買う動きが強まった。ドル円は113円33銭まで上昇し、ほぼ高値圏で越週。ユーロドルは水準を下げたものの、1.1372で下げ止まり、1.14を挟んでもみ合う。

 株式市場は乱高下。クドローNEC委員長が、トランプ大統領が中国との貿易問題で合意に至るとのブルームバーグの報道を否定したことで、ダウは300ドルを超える下げに。その後大統領自身が貿易問題に楽観的な見方を示したことで下げ幅を縮小。結局ダウは109ドル下げて取引を終了。好調な雇用統計を受けて債券は大幅に下落。長期金利は再び3.2%台に乗せ、3.21%台で引ける・金は反落。原油価格は5日続落し63ドル台前半に。

8月失業率        → 3.7%
8月非農業部門雇用者数  → 25万人
8月平均時給 (前月比) → 0.2%
8月平均時給 (前年比) → 3.1%
8月労働参加率      → 62.9%
9月貿易収支       → -54.0b

ドル/円   112.76 ~ 113.33
ユーロ/ドル 1.1372 ~ 1.1450
ユーロ/円  128.59 ~ 129.25
NYダウ   -109.91 → 25,270.83ドル
GOLD   -5.30   → 1,233.30ドル
WTI    -0.55   → 63.14ドル
米10年国債 +0.082  → 3.212%

本日の注目イベント

日   日銀金融政策決定会合、議事要旨
日   黒田日銀総裁講演
中   中国 10月財新サービス業PMI
中   中国 10月財新コンポジットPMI
トルコ トルコ10月消費者物価指数
米   10月ISM非製造業景況指数

 トランプ大統領の貿易問題を巡る言動で株価が乱高下し、それに伴ってドル円も上下しています。先週末の東京時間午後に、ブルームバーグが「トランプ大統領、中国との貿易問題で、合意文書の草案作成を指示」とのニュースを伝え、ドル円は113円台を回復しました。日経平均株価も一時は600円を超える上昇を見せるなど、一気に楽観的な見方が広がりました。

 ところがNY市場では一転して、クドロー国家経済会議(NEC)委員長が、この内容を否定したことからNY株が大きく売られる場面もありました。その後、今度はトランプ大統領自身が「米国と中国が貿易摩擦を解消するための合意に達すると考えており、そうなれば両国に有益だろう」と述べたことで、株価も下げ幅を縮小して取引を終えています。またトランプ氏は、G20に合わせて会談する習近平主席と会食をすることも明らかにしました。もっとも、この日のドル円は113円台を回復した後は長期金利に連動する形で、113円台で堅調に推移しています。

 米長期金利は10月17日以来、約2週間ぶりに3.2%台を回復してきました。今回の「米国発世界同時株安」の主因は米長期金利の上昇でした。再び3.2%台に乗せてきた長期金利を嫌って、米国株が再び大幅な下落を見せるのかどうかが、ドル円の方向性も決めそうです。前回と同じような動きが強まれば、資金が株式から債券に流れ、債券価格の上昇から金利が低下し、ドル円を下押しするシナリオが描けます。

 一方3.2%台で天井を付け、長期金利が徐々に低下するようなら、株価の大幅下落につながらない可能性もあり、金利低下からドル円の一段の上昇は見られないなかもしれませんが、堅調に推移することも予想されます。最後のシナリオは、長期金利がここからさらに緩やかに上昇するものの、既に大幅な調整を終えている米株式市場が堅調に推移するというものです。この可能性は低いと思われますが、米中貿易問題が実際にどのような結末に向かっていくのか分かりませんが、結果次第ではないとは言えません。

 米中間選挙はいよいよ明日に迫ってきました。直近の調査では、民主党が下院で過半数の議席を奪還する見通しですが、民主党のリードはここ数週間で縮まっており、勝利確実とは言い切れない状況(ブルームバーグ)と伝えられています。66の激戦区を対象に調査をした結果、誤差はプラスマイナス13議席と大きく、民主党の大勝もあり得るが、共和党の過半数議席維持の可能性も排除できないと報じています。

 日本時間7日(水)の昼過ぎには結果が判明すると思われますが、緩慢な動きを続けるドル円も、今回は選挙結果を受けて、どちらにも大きく動くのではないかと予想しています。言ってみれば、「今年最後の主戦場」と位置付けられるかもしれません。

 本日のドル円は113円台を維持出来るのかどうかが焦点です。日本株はやや軟調な展開を予想しますが、その際どこまで下値があるのかということで、本日は112円70銭~113円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)