ドル円は小幅に続伸し、113円38銭前後まで上昇したものの、その後反落。112円81銭まで下落したが、ポジション調整と、113円台ではドル売り意欲も旺盛だったとの見方。ユーロドルは続落し、一時は1.1302まで売られる。イタリアの財政問題とドイツの政治的リスクが重石となり、8月15日以来となるユーロ安を記録。

 株式市場は大幅に続伸。ADP雇用者数が予想を上回ったことや第3四半期の雇用コストが上振れしたことで、買いが優勢に。ダウは241ドル上昇し、2万5000ドルの大台を回復。債券は続落。株価の上昇や良好な経済指標に押され価格が下落。長期金利は3.14%台まで上昇。金と原油は3日続落。原油価格は在庫の増加を手がかりに売られ、65ドル31セントと、2カ月半ぶりの安値で取引きを終える


10月ADP雇用者数      → 22.7万人
7-9月雇用コスト指数     → 0.8%
10月シカゴ購買部協会景気指数 → 58.4

ドル/円   112.81 ~ 113.38
ユーロ/ドル 1.1302 ~ 1.1348
ユーロ/円  127.65 ~ 128.41
NYダウ   +241.12 → 25,115.76ドル
GOLD   -10.30  → 1,215.00ドル
WTI    -0.87   → 65.31ドル
米10年国債 +0.021  → 3.144%


本日の注目イベント

豪  豪9月貿易収支
中  中国 10月財新製造業PMI
英  英10月製造業PMI
英  BOE金融政策発表
英  BOE四半期インフレ報告
英  BOE議事録
英  カーニー・BOE総裁講演
米  新規失業保険申請件数
米  10月ISM製造業景況指数
米  労働生産性(7-9月、速報値)
米  10月自動車販売台数


 ドル円は113円台で堅調に推移し、NY市場では113円38銭までドル高が進みましたが、予想通り、一気に113円台半ばを抜くには至らず、小幅ですが押し戻されています。株価が大幅に続伸し、長期金利も小幅ですが上昇し、ドル円はもう一段上値を試してもおかしくはなかった状況でしたが、明日の雇用等統計や来週の中間選挙を控えて、ポジション調整のドル売りが優勢だったということのようです。

 引き続き労働市場は堅調です。昨日発表された民間機関の雇用統計である「ADP雇用者数」は、市場予想を4万人も上回る、「22.7万人」でした。さらに第3四半期の雇用コスト指数も「0.8%」と、こちらも予想を上回り、前年同期比では2.8%の高い伸びを見せています。ブルームバーグによると、民間部門の賃金・給与は前年同期比で3.1%の上昇でした。教育・医療サービスや運輸・倉庫・情報サービスといった分野で特に大きく伸びたようです。

 明日は10月の雇用統計が発表されますが、既に雇用者数の増加は19.5万人と予想され、注目される「平均時給」では、前年同月比の伸びが3.1%と予想されています。上記、雇用コスト指数の民間部門の賃金・給与が同じように「3.1%」であったことが、賃金の伸びが加速していること表しており、明日の「平均時給」も予想に近い数字かと思われます。雇用者数や失業率は安定的に推移しており、FRBは賃金の上昇率に注目していると言われています。明日の発表で予想通りの結果を示せば、12月のFOMCで「今年4回目の利上げ」の可能性が高まります。

 ここ2日間、日米の株価は大きく反発しています。ドル円もこの動きに呼応したかのように113円台を回復したわけですが、株価の動きにはまだ安心できません。昨日は463円も上昇した日経平均株価ですが、10月では2199円もの下げを記録し、2008年のリーマンショック以降最大の下げを記録しました。現在上場企業の中間決算発表はピークを迎えています。事前予想ではかりなりの企業が増収増益と見られていましたが、蓋を開けてみると、強弱まちまちです。

 まだ、為替が円高に振れていないことで輸出企業を中心に好業績を維持していますが、ドル円が110円を割り込むようだと、「円高、株安」が一気に加速する懸念もありそうです。

 本日のドル円はやや上値が重く感じられます。米国株が大幅続伸した割には、日経平均の伸びは限定的でしょう。ここ2日間で800円近く上昇したこともあり、ひょっとするとマイナスで終わることも、ないとは言えません。

 予想レンジは112円50銭~113円40銭程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)