ドル円は先週末の111円台から反発。欧州市場でもドル買いが優勢となり、NY市場では112円56銭までドル高に。その後は株価が大幅に下落したことを受け、112円35銭前後まで押し戻される。ユーロドルは1.13台半ばから1.14で推移。メルケル独首相が党首を退任するとの報道も影響は軽微だった。株式市場は引き続き乱高下し不安定な取引が続く。ダウは1日の値幅が900ドルを超えたが結局245ドル安。ナスダックは7000を割り込む場面もあったが引け値は116ポイント下落の7050。債券相場は小幅に反落し、長期金利は3.08%台に上昇。金と原油はともに反落。

9月個人所得            →  0.2%

9月個人支出            →  0.4%

9月PCEコアデフレータ     →   2.0%

 
ドル/円112.19 ~ 112.56

ユーロ/ドル1.1368~ 1.1400

ユーロ/円 127.75 ~ 128.19

NYダウ -245.39 → 24,442.92ドル

GOLD -8.20 →1,227.60ドル 

WTI -0.55  →67.04ドル 

米10年国債 +0.009 → 3.085%


本日の注目イベント

豪  豪9月住宅建設許可件数
日  9月失業率
独  独10月雇用統計
独  独10月消費者物価指数(速報値)
欧  ユーロ圏7-9月期GDP(速報値)
欧  ユーロ圏10月消費者信頼感指数(確定値)
米  8月ケース・シラ-住宅価格指数
米  10月消費者信頼感指数

 先週末のNYで111円38銭まで売られたドル円は急反発し、112円56銭までドルが買い戻されています。株式市場では相変わらず乱高下が収まらず、昨日のダウは朝方には買われ、350ドルほど上昇していたものが、午後には下げに転じ、一時560ドルほど下落しました。1日の値幅が900ドルを超える荒っぽい展開でしたが、これもアルゴリズムやAIの影響のようです。このようなシステム売買は「順張り」を基本としており、「相場が下げれば売りに入り」、反対に「上昇すれば買いに入る」というもののようです。その結果「オーバーシュート」が起こり、値幅をより大きなものにします。

 株価がこのように乱高下を繰り返しながら下げ続けても、ドル円の動きは緩慢です。安全通貨としての「円」は有事の際に買われる傾向がありますが、今回の世界同時株安局面では、どうやら当てはまりません。貿易戦争や株価の暴落など、投資家はリスク回避の姿勢を強めているにもかかわらず円の上昇は限定的です。トランプ大統領は昨日、11月の米中首脳会談で貿易面での対立を緩和できない場合、米国は中国からの輸入品でこれまでの追加関税の対象となっていなかった品目全てへの関税賦課を、12月初旬までに発表する用意があると、ブルームバーグが報じています。現在2500億ドル(約28兆円)相当の関税引き上げを実施していますが、残りの全てに対しても関税をかけるというものです。昨年の米国の輸入データから算出した場合、総額2570億ドル相当になる可能性があります。

 ただ上述のように、為替の反応は限定的でした。トランプ氏が仕掛ける貿易戦争に、市場はもはや慣れてしまった感もあり、このニュースが伝わっても、ドル円はこの日の高値からわずか20銭程度しか下落していません。貿易戦争がさらに激化し、ダウは今月3日の最高値から2400ドルも下げ、ナスダックも高値から1000ポイントの下落を見せているにもかかわらず、為替市場ではゆったりとした流れが続いています。どこかでこの反動が起こるのではないかと懸念しています。

 ドル円は結局112円台半ばまで押し戻されたことで、日足の雲抜けには失敗したことになり、再び元のレンジに戻っています。111円台が底堅いのか、それとも112円台後半が重いのか、なかなか判断できない状況です。本日のレンジは111円90銭~112円80銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)