ドル円は再び112円を割り込み、111円95銭まで下落。日本株やアジア株が大きく下げた流れを受け、NY株も大幅に下落。リスク回避の円買いが強まり112円を割り込んだ。その後は株価の戻りとともに112円台を回復し、112円35-40銭前後で取引を終える。ユーロドルは小幅に続落し、1.1449まで下落。イタリア国債が反発したが、買い戻しの動きは限定的。

 株式市場は主要3指数が揃って下落。ダウは一時500ドルを超える下げを見せたが、マクドナルドなど好決算銘柄が買われ、指数も反発。ダウは結局125ドル安で引け、S&P500は5日続落。債券相場は反発。株価の下落が債券買いにつながり、長期金利は3.16%台まで低下。金は反発し12ドル高と、約2カ月ぶりの高値に。一方原油は3ドル近い下げを記録し、2カ月ぶりの低水準に。


10月リッチモンド連銀製造業指数 → 15

ドル/円   111.95 ~ 112.48
ユーロ/ドル 1.1449 ~ 1.1494
ユーロ/円  128.21 ~ 129.08
NYダウ   -125.96 → 25,191.43ドル
GOLD   +12.20  → 1,236.80ドル
WTI    -2.93   → 66.43ドル
米10年国債 -0.03   → 3.168%


本日の注目イベント

日  10月日経日本製造業PMI
日  8月景気動向指数(確報)
独  独10月製造業PMI(速報値)
独  独10月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏9月マネーサプライ
欧  ユーロ圏10月製造業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏10月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏10月総合PMI(速報値)
米  8月FHFA住宅価格指数
米  9月新築住宅販売件数
米  ベージュブック(地区連銀経済報告)
米  ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
米  ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演
米  メスター・クリーブランド連銀総裁講演
米  企業決算 → ボーイング、AT&T、VISA、マイクロソフト
加  カナダ中銀政策金利発表


 米国がくしゃみをすれば、風邪を引いてしまう日本株ですが、昨日は日本株自身で風邪を引き、こじらせてしまったようです。折から、日本では首都圏を中心に「風疹」がはやっており、米国では妊婦の日本への渡航を自粛するよう、異例の注意も発せられています。日経平均株価は、昨日604円もの大幅下げに見舞われ、株式の専門家も「なぜここまで売られるのか分からない」と嘆いていました。

 株価の大幅下落に伴ってドル円も徐々に下げ、NY市場ではダウが一時550ドル近く下げたことで、112円を割り込みました。昨日もこの欄で述べたように、今回の戻り局面では、フィボナッチの38.2%は達成したものの、現時点では50%戻しには失敗したことになります。米中貿易戦争と中国景気の鈍化に加え、今度はサウジアラビアの反体制ジャーナリスト殺害に伴う、中東情勢の不透明感が広がってきました。この殺害を巡るサウジ政府の説明にもトランプ政権は納得しておらず、制裁にまで発展するリスクが取りざたされています。

 もし米国がサウジに対して制裁を発動するようだと、サウジとしても保有している米国債の売却や、原油価格を意図的に上昇させるなどの行動に出る危険があり、その際には日本にとっても人ごとではありません。またひとつ注目しなければならない事態が増えたことになります。

 トランプ大統領と習近平主席との首脳会談は、どうやら11月にブエノスアイレスで開かれる「G20」の場を利用して行われるようです。クドロー国家経済会議(NEC)議長は23日、「両首脳はアルゼンチンで少しの時間、会談する」と記者団に語っています。ただ首脳会談では大きな事態打開は期待していないとも語っています。(ブルームバーグ)

 米中貿易戦争は、米国が中国に対して総額2500億ドル(約28兆1千億円)の関税引き上げを発動して以来小康状態です。トランプ大統領はさらに5000億ドルまで引き上げると中国に脅しをかけてはいますが、中国が何らかの譲歩を示せば事態が改善する可能性もあります。多くは期待できませんが、こちらにも注目しなければなりません。

 ドル円はそれほど大きな値動きにはなっていないものの、株価の動きと相関関係を強めています。昨日のドル下落も111円台では下げ止まり、底値から50銭ほど反発しており、111円台半ばから後半が極めて強いサポートであることを示しています。ここ直近でも、112円割れは5回観測されましたが、全て112円台に押し戻されていることも確認できます。逆に言えば、111円台半ばをしっかりと割り込むようだと、下げが加速することも予想されます。

 本日も日本株次第というところでしょう。昨日大きく下げているため、NY株が下げたといっても500円も続落する展開は予想していませんが、上値の重い展開は変わりません。

 予想レンジは111円80銭~112円70銭程度でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)