中国経済の先行き不透明感がぬぐえない。上海総合株価指数は年初につけた高値3559.5ポイントから、10月19日には30%以上の下落率となる2486.4ポイントまで下落し、中国の経済閣僚が「株価は歴史的低水準にある」などといった株価下落を食い止めんがための口先介入を行う事態に至っている。大和総研経済調査部の主席研究員の齋藤尚登氏は10月23日に「中国:成長率はとうとう下振れ」と題したレポート(全10ページ)を発表し、現状の中国経済を多面的に分析した。レポートの要旨は以下の通り。

◆株価が大きく下落し、マイナスの資産効果による消費への悪影響も懸念される中、金融証券分野を管轄する3閣僚に加え、習近平国家主席の経済ブレーンである劉鶴・副首相が、「株価は良好なファンダメンタルズからかけ離れた歴史的低水準にある」等のコメントを一斉に行った。これを好感して株価は短期的に大きく反発したが、口先介入だけではその持続性は期待し難い。今後は中国政府の景気サポート策によって、経済の減速に歯止めが掛かることが、株価の本格回復の前提条件となろう。

◆国家統計局によると、2018年7月~9月の実質GDP成長率は前年同期比6.5%と、1月~3月の同6.8%、4月~6月の同6.7%から減速した。今後、外需の不透明感が増す中で中国の景気は減速しようが、そのペースは緩やかなものになるとみている。2018年10月~12月以降は所得税減税が消費をある程度下支えし、地方政府特別債券発行による資金調達の増加を呼び水に、インフラ投資の底打ち・回復への期待も高まろう。大和総研は、中国の実質GDP成長率は2017年の前年比6.9%から、2018年は同6.6%程度、2019年は同6.4%程度へと緩やかに減速すると予想している。(情報提供:大和総研)(写真は、中国の高架橋建設車両。イメージ写真提供:123RF)