アジア市場で、上海株や日本株が上昇したことからドルを買う動きが強まり、その流れがNY市場にも波及。ドル円は112円89銭まで上昇。ユーロドルは小幅に反落。イタリア国債が売られたことがユーロドルの重石となり、1.1456まで下落。

 株式市場はまちまちながら先週末とは異なり、ダウは売られてナスダックは反発。25日にはいわゆる「FANG」銘柄が揃って決算発表を行うことで期待が先行し、ナスダックは19ポイント上昇。債券相場は変わらず。長期金利は3.2%を目前に足踏み。金は続落し、原油は続伸。


ドル/円   112.66 ~ 112.89
ユーロ/ドル 1.1456 ~ 1.1501
ユーロ/円  129.22 ~ 129.71
NYダウ   -126.93 → 25,317.41ドル
GOLD   -4.10   → 1,224.60ドル
WTI    +0.05   → 69.17ドル
米10年国債 +0.006  → 3.198%


本日の注目イベント

独  独9月生産者物価指数
欧  ユーロ圏10月消費者信頼感指数(速報値)
英  カーニー・BOE総裁講演
米  10月リッチモンド連銀製造業指数
米  カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演
米  カプラン・ダラス連銀総裁講演
米  企業決算 → マクドナルド、3M、キャタピラー、ロッキード


 昨日はドル円が堅調に推移し、NY市場では先週記録した戻り高値を抜き、112円89銭までドル高が進みました。マイナス260円ほどまで下げ幅を拡大した日経平均株価が、上海株の大幅反発に引っ張られ、プラスに転じたことでドル円も上昇し、その流れがNY市場にも波及した形です。

 ただ昨日の動きはドル円単独で上昇したわけではなく、ユーロとポンドが対ドルで売られたことで、「円が連れ安」した側面が強いと思われます。ユーロドルはイタリア国債が軟調に推移したことが重石となり、ポンドはEUからの離脱問題で、メイ首相に対する与党保守党内の反発が強まっていることへの懸念から売られ、値幅は限定的だったものの、「ドル独歩高」の様相でした。

 ドル円は113円には届いていませんが、それでも先週記録した112円73銭の戻り高値を抜いてきました。これで10月4日に記録した114円55銭から、15日に111円63銭まで下げた値幅の、38.2%戻しを達成したことになります。今後さらに上昇すれば、フィボナッチの50%戻しにあたる113円09銭近辺がメドになってきますが、この水準を達成するようだと、「半値戻しは全値戻し」と言われるように、114円台半ばまで戻る可能性も出てきます。

 長期金利は3.2%を目前に足踏みしていますが、依然として高水準で推移しており、金利上昇圧力は継続していると見られます。そうなると、金利上昇観測の中、どこまでNY株式市場が落ち着きを取り戻すかが焦点になります。

 何かと話題の尽きないトランプ大統領ですが、11月6日の「中間選挙」を控えて大統領は、中間所得層向けの「大規模減税」を検討していると、ブルームバーグが伝えています。早ければ、中間選挙が行われる数日前に発表される可能性があるようです。減税案の詳細についてはまだ明らかにされていませんが、実施されれば、2017年の減税改革に次ぐ措置となり、中間選挙で共和党が議会での過半数獲得を確実にできるとの期待が広がっています。減税が実施されれば、その原資は国債に頼ることになり、国債の増発は金利上昇圧力になるため、上述のように、金利上昇観測は衰えていません。

 米中間選挙までちょうど2週間です。多くのメディアが共和党の苦戦を伝えていますが、現在優位にたっている下院で過半数を維持できるのかどうかが注目の一つです。ここで、民主党が過半数を奪回するようだと、ねじれ議会というだけではなく、トランプ大統領の「弾劾」にもつながる可能性が出てきます。選挙結果がどちらにころんでも、為替は大きく動くと思われます。今年のドル円は極めて値幅が小さく、現時点でも年間の値幅が10円を切っている状況です。今年最後の「主戦場」と捉えてもいいかもしれません。

 本日のドル円レンジは、112円30銭~113円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)