19日に一部英メディアが「メイ英首相は欧州連合(EU)離脱=Brexit交渉の合意に向けて重要な要求を取り下げる」と報じた。記事によると、メイ首相は争点のアイルランド国境問題で無期限の「バックストップ」を受け入れる模様。「バックストップ」とは、合意なき離脱となった場合でも、英領北アイルランドをEU関税同盟にとどめて、EU加盟国アイルランドとの間に「厳格な国境(ハードボーダー)」が出現しないようにする「防御策」の事だ。

 ただ、無期限の「バックストップ」については、国境管理をEUが主導する期間が長引く事などを意味するため、英国内の強行離脱派からの拒絶反応も強いとされる。たとえメイ首相がEUと合意しても、時限的な「バックストップ」を求める声が根強い英国内の承認が得られるかどうかは不透明と言わざるを得ない状況のようだ。

 そうした中、本日はメイ首相がBrexit交渉の進捗について英議会で演説を行う。「離脱合意とその手続きの95%が既に決着している。安全保障と運輸交通、サービスといった問題での重要な進展に伴い、(EUとの)将来の関係の範囲と枠組みで大筋合意した」などとする演説原稿が既に公表されている。今後のBrexit交渉の行方を占う上でも、今回のメイ首相の演説に対する英議会の反応が注目されよう。

(執筆:外為どっとコム総合研究所  編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)