ドル円は112円台半ばを超えたものの、そこから上値が重く反落。株価が再び大幅に下落したことや、長期金利の低下でドル売りが加速し、111円95銭までドル安が進行。ユーロドルは続落し、1.14台半ばまでユーロ安が進む。英国のEU離脱を巡る進展が見られず、イタリアの予算案が修正を迫られるなど、ユーロにとっての悪材料が重なる。

 株式市場はハイテク株を中心に再び大幅下落。ダウは327ドル安で取引を終えたが、一時は400ドルを越える下げも。サウジとの関係悪化や、米中貿易戦争への不透明感が重石に。株価の大幅下落に伴い、安全資産の債券に資金が流れる。長期金利は3.17台まで低下。金は反発。原油価格は大幅に続落し68ドル台に。

9月景気先行指標総合指数      → 0.5%
新規失業保険申請件数        → 21.0万件
10月フィラデルフィア連銀景況指数 → 22.2

ドル/円   111.95 ~ 112.61
ユーロ/ドル 1.1449 ~ 1.1518
ユーロ/円  128.32 ~ 129.52
NYダウ   -327.23 → 25,379.45ドル
GOLD   +2.70   → 1,230.10ドル
WTI    -1.10   → 68.65ドル
米10年国債 -0.026  → 3.179%

 
本日の注目イベント

日  9月消費者物価指数
中  7-9月GDP
中  中国 9月小売売上高
中  中国 9月鉱工業生産
米  9月中古住宅販売件数
米  企業決算 → P&G
加  カナダ8月小売売上高
加  カナダ9月消費者物価指数


 先週から続いている株価の乱高下はまだ収まる気配が見えません。今週の始めに、混乱は1週間程度は続くと予想していましたが、明日のNY株がどのような引け方をするのかに注目しています。明日も、昨日のように大幅に下げたまま越週するようだと、この悪い雰囲気が翌週にも持ち越され、反転のきっかけがつかめなくなる懸念が残るからです。この辺りまでの株価の調整は想定内ですが、来週も同じような動きが続くようだと、今回の株価の調整は長引く可能性があります。2月の混乱では、2日続けてNYダウが大幅安となり、その後2日はもみ合いが続き、その翌日に再び1000ドルを超える下げを見せました。もっとも、その日の引け値が、NYダウの今年の最安値であったことは意識しておくべきでしょう。

 株価の動きに比べ、ドル円の動きは相変わらず鈍いです。ダウが300ドル以上下げたにもかかわらず、今朝の本稿執筆時は112円20銭後で推移しています。昨日の朝方には112円73銭までドルが買われる場面がありましたが、昨日も触れましたが、フィボナッチの38.2%戻しに当たる、112円79銭には届かずに反落しています。株価大幅下落の割にドル円が思った程下げないのは、ドル円では「ドル安円高」の流れになっていますが、ユーロドルでは「ドル高ユーロ安」の動きになっていることが挙げられるかもしれません。その結果ユーロ円が大きく下げ、昨日は約5週間ぶりの安値となる、128円台前半までユーロが売られました。

 ユーロが売られた理由は言うまでもなく、イタリアの財政問題とイギリスのEUからの離脱問題が混沌としているからです。イタリア政府がEUに送った予算案を巡りEU当局者は昨日、イタリアの財務相に宛てた書簡で、イタリアの予算案はEU規定を「明らかに著しく逸脱」しているとして、修正を求めました。またドラギECB総裁は「EUの財政規律が守られないようなら、全てのEU加盟国に悪影響が及ぶ」と、国名は出さなかったものの、暗にイタリアの予算案を批判しています。

 さらに、EU首脳会議でイギリスのEU離脱問題を検討していますが、イギリスがアイルランド問題で譲歩する姿勢をみせていなことから進展がありません。加えて、米国との貿易戦争の影響からドイツを中心に景気の後退を示す指標も出始め、通貨ユーロにとっては「三重苦」の状況です。1.14台半ばまで売られてきたユーロドルは、「非常に強いサポート」と見られている1.13を、再び目指す展開を予想しています。

 本日も日本株は続落が見込まれます。NY株の大幅下落に伴って300円前後下げるのではないかと予想していますが、予想外の大幅な下げに見舞われるようだと、ドル円も目先のサポートゾーンである111円60-80銭辺りを試すことになるかもしれません。

 本日のレンジとしては、111円60銭~112円60銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)