東京海上アセットマネジメントは、9月12日(宇宙の日)に「東京海上・宇宙関連株式ファンド」を新規設定した。中長期で大きな成長が期待できる一方、従来のテクノロジー関連テーマとは一線を画する価値があるという。同ファンドの魅力について、東京海上アセットマネジメント 投信営業部 投信営業グループリーダーの柳博之氏(写真:左)と、アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパン(*) 投資信託営業部 マネージャーの井村真也氏(写真:右)に聞いた。(*実質的な運用を担うアリアンツ・グローバル・インベスターズU.S.LLCの日本におけるグループ会社)

 ――ファンド設定の狙いは?

柳: 世界の宇宙ビジネスの市場規模は、現在の約3500億ドルから、2040年には現在の5倍に相当する1兆7500億ドル程度に達すると予測されている。ロケットや衛星の小型化、低コスト化によって宇宙へのアクセスが容易になり、また、宇宙から得られるビッグデータを解析するAI(人工知能)等の技術が発達したことでビジネスとしての成長が加速した。宇宙は、これまでの「夢」から「ビジネス」への大きな転換期を迎えている。

 実際の組入対象銘柄は、資本財セクターに属する企業が多い。既存のテクノロジー系のテーマ型ファンドである「ロボティクス」などの場合、情報技術(IT)やソフトウエアといったセクターに属する企業が多いため、当ファンドと投資銘柄の重なりが少なく、投資家が保有資産に組み入れることで分散効果が得られるという特徴がある。

 さらに、宇宙関連銘柄は、宇宙ビジネスの成長性が十分に株価に織り込まれている水準とは言えず、PER(株価収益率)などの指標でも相対的に割安な銘柄が多い。米国株が大幅に上昇し、これから投資するには二の足を踏む方にも、相対的に過熱感のない宇宙関連銘柄は良い投資対象になると考えた。

井村: 宇宙関連企業は、NASA等との長期契約でビジネスに取り組んでいる場合が多く、安定的なキャッシュフローが獲得できるという安心感がある。近年では、その将来性・成長性を見越したリスクマネーを吸い寄せる形で、宇宙関連のベンチャー企業が続々と生まれている。宇宙ベンチャーへの投資額は、2000年当時と比較すると現在は約10倍に膨れ上がり106億ドル規模だ。今後1-2年の間に、これらの企業のIPO(新規公開)も期待される。

 ――宇宙ビジネスとは?

柳: まず、ロケットや衛星を開発し、打ち上げるサービスに携わる企業群がある。現在、稼働中の衛星は約1900基だが、既に米当局に打ち上げ申請をしているだけでも8731基ある。衛星打ち上げが加速する見通しだ。

 次に、宇宙データを利用することで生まれるさまざまなサービスがある。衛星から得られる画像を分析して農業や漁業の生産性の向上に役立てたり、衛星から得られる正確な位置情報を活用した自動運転などの新たな産業の創出にも宇宙データは活用されている。

 そして、宇宙ビジネスを支える関連ビジネスがある。ロケットの打ち上げを行うオペレーションセンターを設計・建築したり、ロケットを打ち上げる際にかける保険などのビジネスだ。

 加えて、宇宙ゴミの除去、宇宙旅行、宇宙太陽光発電など、夢のある新たな宇宙ビジネスへの投資が将来的に可能になる点も当ファンドの魅力の1つと考えている。

 ――宇宙関連に関するアリアンツの強みは?

井村: 「グローバル・スペースチーム」は、米サンフランシスコを拠点にしている。隣接するシリコンバレーには宇宙関連ベンチャーが多く、2年以内に上場が可能な企業をリストアップしている。また、ポートフォリオ・マネジャーのレイモンド・クーニャは、米国の資本財調査のヘッドでもあり、25年間の経験がある。大企業からベンチャーまでバランスよく調査できる体制にある。

 加えてESG(環境・社会・ガバナンス)の観点からの企業評価に歴史的に取り組んできている。投資対象となる宇宙関連銘柄の中で、ESGの観点から問題が無いかのチェックも行っている点も強みであると認識している。

 ――このファンドの活用方法は?

柳: 短期的に過熱感が無く、長期で保有できるテーマ型ファンドとして検討していただきたい。既に、「ロボティクス」などのテーマ型ファンドをお持ちの方も投資銘柄が重ならないため、併せて保有されるのも方法だ。

 宇宙ビジネスがより一般化すると目される2030年、2040年という将来に向かって、コツコツと積立投資で、当ファンドに投資するという投資法もご検討いただけると思う。(情報提供:モーニングスター社)