ドル円は112円台を回復し、112円34銭前後まで買われる。米国株が大幅な反発を見せたことで、リスク回避の流れが後退。ユーロドルは1.16を挟んでもみ合い。イタリアの財政案がEUに提出され、今後1週間程度をかけて審理されるが、その結果を待つ状況。

 株式市場は大幅に上昇。ゴールドマンなど、企業決算が好調だったことや、アジア株が反発したことを材料にダウは547ドル高と、3月以来の大幅高。ナスダック指数も214ポイント高で取引を終える。債券は小動き。長期金利は若干上昇し、3.16%台に。金は小幅に続伸。原油も3日続伸。

9月鉱工業生産       → 0.3%
9月設備稼働率       → 78.1%
10月NAHB住宅市場指数 → 68

ドル/円   112.03 ~ 112.34
ユーロ/ドル 1.1572 ~ 1.1622
ユーロ/円  129.80 ~ 130.29
NYダウ   +547.87 → 25,798.42ドル
GOLD   +0.70   → 1,231.00ドル
WTI    +0.14   → 71.92ドル
米10年国債 +0.008  → 3.163%

 
本日の注目イベント

欧  ユーロ圏9月消費者物価指数(改定値)
英  英9月物価統計
米  9月住宅着工件数
米  9月建設許可件数
米  FOMC議事録(9月25、26日分)
米  ブレイナード・FRB理事講演
米  企業決算 → アルコア


 足元のドル円はまさに、「株式本位制」といった動きを見せています。前日111円63銭まで売られたドル円は、昨日の東京時間に日経平均株価が朝方のマイナスからプラスに転じ、さらに上昇すると112円台までドルが買われました。NYではその流れを引継ぎ、さらに大きく売り込まれた米国株が大幅な上昇を見せたことで、112円34銭前後までドル高が進んでいます。ただ今回の株価の急騰でもドル円の動きは鈍く、下げても、上げてもその値幅は限定的となっています。

 株価の上昇をけん引したのは、良好な企業業績でした。この点については、先週にもこの欄で述べましたが、企業決算が株価の下落を止めた形になっています。ダウは3月以来の大幅高で、S&P500もここ半年余りで最大の上昇幅を記録しました。焦点は昨日の大幅上昇で、今回の株価の調整が終わったのかどうかということですが、個人的にはまだ混乱は収束していないと考えています。

 一時3.26%台まで上昇した米長期金利が、今回の株価の大幅下落の主因だと言われていますが、その長期金利はここ数日間静かな動きを見せてはいますが、依然として高止まりしています。さらに貿易問題ではなんら進展はなく、改善される見通しもありません。日米物産貿易協議で「為替条項」が盛り込まれるかどうかは、日本側は財務大臣や、経済・再生担当大臣が否定はしていますが、それは「希望的観測」に過ぎません。つまり、為替や株式市場を取り巻く環境は何も変わっていないということです。したがって、ドル円も株式市場も、先週見たような大きな下げ相場にはならないとしても、一本調子で元の水準に戻るとも思えません。乱高下しながらも時間をかけ、ゆっくりと元の水準を回復していくものと思います。そのころには、上記貿易に関する不透明感もある程度は払拭されていると予想します。

 サウジアラビア人ジャーナリスト殺害問題は「一難去ってまた一難」という印象ですが、昨日トランプ大統領はサウジのムハンマド皇太子と電話で話し、今回の事件の詳細は知らないが、サウジ政府として捜査を拡大するとの内容だったようです。ホワイトハウスでは、再び人事問題が焦点となっており、マティス国防長官の解任が近いのではとの噂もあるようです。「自身の司法問題」、「貿易問題」、「国際社会」、さらには3週間後に迫った「中間選挙」と、トランプ大統領は大忙しのようです。

 本日の日本株はNY株の大幅高と円安を受け、大きく上昇するものと思われます。それに伴ってドル円も堅調に推移するでしょう。上値のメドは「1時間足」の「200時間線」のある、112円74銭前後かと思いますが、その前に112円50銭前後も意識されるかもしれません。日経平均株価は300円程度の上昇を予想しますが、昨日も277円上昇していることから、思ったほど伸びない可能性もあります。

 ドル円のレンジは111円90銭~112円80銭程度を予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)