米国との間で「貿易戦争」と呼ばれるような追加関税合戦を繰り広げている中国の4月-6月期の経常収支は、1-3月期の赤字から53億ドルの黒字に転換した。しかし、黒字幅は小さい。大和総研経済調査部の研究員 中田理惠氏は10月16日、「中国:2018年4-6月期の国際収支統計」と題したレポート(全6ページ)を発表し、米中貿易摩擦の激化による中国経済への影響を憂慮した。レポートの要旨は以下の通り。
 
◆2018年4-6月期の中国の経常収支は53億ドルの黒字であった。1-3月期の赤字から黒字に転じたものの黒字幅は小さい。輸出の回復により貿易収支の黒字幅が拡大したものの、サービス収支が引き続き大幅な赤字となったことに加えて、第一次所得収支の赤字幅も拡大した。
 
◆金融収支は300億ドルの資金流入超となった。国内資本の流出増加及び海外資本の流入減少により前期比では689億ドル流入幅が減少した。
 
◆今後も対中国直接投資による資本流入を促す政策が続くとみられる。ただし、米中貿易摩擦による対米輸出の減速懸念やこれに伴う中国経済の減速懸念も浮上しており、対内直接投資の流入ペースに陰りが出る可能性があるだろう。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)