ドル円は続落し、一時は111円67銭までドル安が進む。日本株が再び大幅に下落したことや、サウジ記者を巡る情報緊迫から円が買われた。ドル円は終始111円台で推移しこの日の高値は111円94銭前後。ドイツの政局不安とドル安の綱引きだったが、ドル安に引っ張られユーロドルは1.1606まで上昇。株式市場は比較的落ち着いた取引だったが、サウジとの関係悪化や小売売上高が予想を下回ったことなどが材料視され、結局3主要指数とも下落。債券は小幅に上昇。長期金利はほぼ変わらず3.15%台で推移。金は反発し1230ドル台に。原油は続伸。

10月NY連銀製造業景況指数    →  21.1

9月小売売上高             →  0.1%


ドル/円111.67 ~ 111.94

ユーロ/ドル1.1574~ 1.1606

ユーロ/円 129.33 ~ 129.80

NYダウ -89.44 → 25,250.55ドル

GOLD +8.30 →1,230.30ドル 

WTI+0.44  →71.78ドル 

米10年国債 -0.006 → 3.156%

 
本日の注目イベント

中  中国 9月消費者物価指数
中  中国 9月生産者物価指数
独  独10月ZEW景況感指数
英  英9月失業率
欧  ユーロ圏8月貿易収支
米  9月鉱工業生産
米  9月設備稼働率
米  10月NAHB住宅市場指数
米  企業決算 → IBM、ブラックロック、J&J、モルガンスタンレー、ゴールドマンサックス、

 
 昨日は日経平均株価が再び大幅な下落をみせ、先週末比423円も下げました。株価の行方に翻弄されているドル円は、徐々に上値が重くなり、夕方にはこれまでのサポートゾーンだった111円80銭台を抜け、NYでは111円67銭までドル安が進みました。夕方のドル売り優勢の勢いを見たら、NYではもう一段下げ、111円台前半もあり得ると思っていましたが、NY市場は為替、株ともに比較的落ち着いた動きでした。

 ダウは89ドル安と小幅な下げに留まりましたが、昨日は新たにサウジアラビアとの関係が悪化する事態がドル円の戻りを抑えた形です。CNNは、サウジアラビア政府は失踪したとされるサウジアラビアのジャーナリストについて、取調べを誤った結果死亡したとの報告を準備していると報じました。これまで関与を否定していたサウジアラビア政府が、関与を認めることになりそうです。これに対してトランプ大統領は、失踪の背後には「ならず者の殺人者たち」が存在する可能性を指摘し、ポンペオ国務大臣をサウジに派遣し、サルマン国王と会談させるとツイッターに投稿しました。(ブルームバーグ)

 ユーロ圏でも混乱の芽がゆっくりと育っている印象です。イタリアの連立政権は15日の閣議で、2019年度予算案を承認しました。この案は欧州委員会の審査を受けるため送付されますが、EUの財政ルールを巡りEUと対立する可能性が残っています。予算案の内容はまだ公表されていないようですが、イタリアが19年度財政赤字目標をGDPの2.4%にしているようだと、欧州委員会が承認しないことも予想され、混乱の火種になりかねません。

 混乱はドイツでも起きそうな気配です。ドイツでは州議会選挙が行われ、保守の牙城だったバイエルン州議会選挙で政権与党のキリスト教社会同盟(CSU)が大敗しました。CSUはメルケル連立政権の支持基盤の一つであり、国民は難民問題を巡る政策に対してメルケル首相に「NO!」を突きつけた形です。ユーロ圏は、上記2つの問題に加え、英国のEUからの離脱問題でも手を焼いています。ユーロドルは先月1.18台まで上昇しましたが、ちょうど1カ月で400ポイントほど売られたことになります。1.13が強力なサポートになっていますが、折からのドル安傾向で、1.15台では粘り腰を見せていますが、再びドル高傾向に戻ったら、1.13テストもないとはいえません。

 本日は引き続き株価次第ですが、昨日のような大幅安はないと予想します。ドル円は111円40-50銭近辺が目先下値のサポートと見られますが、市場参加者の「相場観」も、徐々に「緩やかな円高方向」にシフトしてきているようです。本日のレンジは111円30銭~112円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)