LIFULL <2120> は、不動産・住宅情報総合サイト「LIFULL HOME‘S」運営など不動産情報サービス事業を主力として、生活関連領域への事業展開を加速している。18年9月期増収増益予想である。そして19年9月期は買収したMitulaも寄与して収益拡大が期待される。株価は15年来の安値圏だが売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。なお10月22日に18年9月期決算発表を予定している。
 
■不動産情報サービスが主力、生活関連領域への事業展開を加速
 
 日本最大級の掲載件数を誇る不動産・住宅情報総合サイト「LIFULL HOME‘S」運営が主力のHOME‘S関連事業、14年買収したスペインのTrovitが展開する世界最大級のアグリケーションサイト「Trovit」運営などの海外事業、その他事業(LIFULL介護、LIFULL引越しなどの運営)を展開している。
 
 18年8月にはモーニングスターのGomez賃貸不動産情報アプリランキングで「LIFULL HOME‘S」が総合第1位を獲得したと発表している。また内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室が推進する引越しワンストップサービスの協力主体として選定されたと発表している。
 
 なお収益面では、不動産情報サービス事業を主力としているため、1~3月が繁忙期となる季節要因がある。
 
■世界一のライフデータベース&ソリューション・カンパニーを目指す
 
 スローガンに「世界一のライフデータベース&ソリューション・カンパニー」を掲げ、LIFULL HOME‘SやTrovitを通じて世界の不動産や暮らしに関するデータを蓄積し、先端技術を活用することで中期的な成長を目指している。中期経営計画の定量目標には20年9月期売上収益500億円台、EBITDA率20%前後を掲げている。
 
 18年1月中国最大級の不動産仲介会社HO melinkと国際不動産投資分野で業務提携、18年3月家具ベンチャーのKAMARQ(シンガポール)と業務提携、ブロックチェーン技術を活用した不動産投資プラットフォーム運営のBitOfProperty(シンガポール)に出資した。
 
 18年5月にはMitula(Mitula Group Limited)を完全子会社化するための友好的買収手続き開始合意を発表した。TrovitとMitulaはスペインを主要拠点としてアグリゲーションサイトを運営しているため、両社の強みを活かせる新しい組織を構築して成長を加速させる方針だ。
 
 18年6月には、不動産情報共有におけるブロックチェーン技術を活用したプラットフォーム商用化に向けて、全保連、ゼンリン、ネットプロテクションズ、NTTデータ経営研究所、NTTデータ・グローバル・テクノロジー・サービス・ジャパンとの共同検討開始を発表した。
 
 なおリソース集中戦略を進めるためLIFULL HOME‘Sリフォームを18年9月末終了し、LIFULL Remodelを18年終了予定としている。18年9月には保険ショップ検索・予約サイト運営のLIFULL FinTechの広告事業の一部を日本生命に譲渡(18年1月~19年1月予定)すると発表した。また海外事業のリソースをTrovitとMitulaに集中するため、LIFULL豪州とLIFULLドイツを撤退予定としている。
 
■国内中古住宅市場活性化への取り組みも加速
 
 国内では中古住宅市場活性化への取り組みも加速している。17年1月JGマーケティング(現LIFULL Social Funding)を子会社化し、不動産投融資型クラウドファンディング事業を展開している。
 
 民泊関連は楽天<4755>と共同で17年6月設立した楽天LIFULL STAYが展開し、17年12月世界最大のオンライン宿泊予約サイト運営のBooking B.V.と業務提携、18年8月には京都市と楽天LIFULL STAYが宿泊税の代行徴収に関する協定を締結、18年9月ALSOK<2331>と業務提携、18年9月ベトナムでオンライン旅行予約プラットフォームを展開するLuxstay社と業務提携した。
 
 空き家の活用では、国土交通省の全国版空き地・空き家バンク構築運営に関するモデル事業「LIFULL HOME‘S 空き家バンク」によって、全国の空き家バンクのプラットフォーム化を目指している。また楽天LIFULL STAYと共同で空き家活用を通じた地域活性化連携協定を、17年12月岩手県釜石市、18年3月宮崎県日南市、岡山県総社市と締結した。
 
 18年6月には楽天LIFULL STAYが、世界最大級のバケーションレンタルサイト運営の米ホームアウェイ、および一般社団法人全国古民家再生協会と、古民家の認知・価値拡大、地域活性化を目指して業務提携した。10月9日には「古河市における歴史的建築物活用に関する協力協定」を締結した。
 
■18年9月期(12ヶ月決算)増収増益予想
 
 18年9月期の連結業績予想(IFRS、17年10月~18年9月の12ヶ月決算、17年9月期は6ヶ月決算、7月26日に減額修正)は、売上収益が340億円、EBITDA(償却前営業利益)が51億90百万円、営業利益が40億円、親会社所有者帰属純利益が28億円としている。
 
 Googleの検索アルゴリズム変更の影響、不採算分野だったリフォーム分野の事業撤退などで売上収益が計画を下回り、利益も減額修正したが、前年同期間(16年10月~17年9月)との比較で見ると、売上収益は5.9%増収、EBITDAは32.9%増益予想と増収増益予想である。なおMitula買収に伴う影響は織り込んでいない。配当予想は未定だが配当性向20%を基準に実施する予定だ。
 
 なお第3四半期累計は売上収益が260億15百万円、EBITDAが44億39百万円、営業利益が36億35百万円、親会社所有者帰属純利益が22億74百万円だった。前年同期間との比較で売上収益が8.6%増収、EBITDAが56.9%増益、親会社所有者帰属純利益が2.0倍%増益だった。
 
 HOME‘S関連事業は顧客数の順調な増加で8.6%増収、海外事業はLIFULL Tech Vietnamの新規連結も寄与して13.1%増収、その他事業はLIFULL seniorやLIFULL SPACEの好調で13.4%増収と順調だった。
 
 18年9月期は減額修正したが増収増益予想である。そして19年9月期は買収したMitulaも寄与して収益拡大が期待される。
 
■株価は売られ過ぎ感
 
 株価は15年来の安値圏で、10月11日には地合い悪化も影響して531円まで下押す場面があったが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。10月12日の終値は566円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS23円59銭で算出)は約24倍、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS161円96銭で算出)は約3.5倍、時価総額は約672億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)