ドル円は朝方から株価が下げたことや、人民元の下落を材料に売られる。一時は113円を割り込み、112円82銭までドル安が進む。その後株価が反発したことで、113円25-35まで値を戻して引ける。ユーロドルは続落。ドイツの経済指標が軟調だったことや、イタリアの財政問題が依然として重石となり、1.1460までユーロ安が進む。

 株式市場は先週までの調整ムードを引き継ぎ、軟調に推移。ダウは一時200ドルを超える下げを見せたが、午後には反発。結局ダウは39ドル高で引けたものの、ナスダックとS&P500は3日続落。債券市場は「コロンブスデー」のため休場。金は、対ユーロでドルが上昇したことから大幅安。原油は小幅に下落。

ドル/円   112.82 ~ 113.42
ユーロ/ドル 1.1460 ~ 1.1499
ユーロ/円  129.71 ~ 130.20
NYダウ  +39.73 → 26,486.78ドル
GOLD  -17.00 → 1,186.60ドル
WTI   -0.05  → 74.29ドル
米10年国債 --------  → 3.233%

 
本日の注目イベント

日  8月国際収支
日  9月景気ウオッチャー調査
独  独8月貿易収支
独  独8月経常収支
英  英8月小売売上高
米  IMF世界経済見通し
米  ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
加  カナダ9月住宅着工件数


 先週木曜日には114円台半ばまで買われ、115円も視野に入ってきたドル円でしたが、昨日の大幅下落で、今回の上昇過程では「最大の調整局面」を迎えています。先週末の雇用統計でも上値を切り下げ、113円台半ばまでドル安が進みましたが昨日はさらに下げ、一時は112円82銭までドル安が進みました。直近高値からは1円80銭程度下げたことになりますが、ダウが連日最高値を更新し、ドルが全面高となった楽観的な相場は、そろそろ危険水域に入った可能性があると、本稿でも指摘してきましたが、どうやらその為替も、株も「調整局面入りした」可能性が出てきました。

 米10年債利回りが3.2%台と、依然として高水準であるため、このまま円高方向へとトレンドを変えるとは思いませんが、上値が重くなってきたことは否めません。市場参加者も再び114円台まで上昇すれば、確実に利益を確定する動きに出るものと思われます。昨日NY市場ではこれといってドルが売られる明確な理由はなかったように思いますが、米中貿易戦争が継続中で、11月の中間選挙ではトランプ大統領の苦戦が伝えられている状況でも、ドル高、株高が続いていました。「好事魔多し」という言葉があるように、注意しながら臨むべきでしょう。

 北朝鮮で金委員長との会談を終えたポンペオ米国務長官はその足で中国に向かい、北京で王毅外相と会談しました。会談では、貿易問題や北朝鮮問題が話し合われたと思われますが、今回の会談では辛らつな言葉のやり取りがあり、米中関係が悪化していることを浮き彫りにしていました。王外相は、貿易摩擦をエスカレートさせ、台湾問題や内政に介入しているのは米国だと非難し、「こうした行動は相互信頼を傷つけ、中国民の利益に全くそぐわない」と述べました。

 これに対してポンペオ国務長官は、「王氏が挙げた問題について、米国側の見解は根本的に異なる」と答え、「中国がとってきた行動を米国は深く憂慮している。米中関係は極めて重要なため、それぞれの問題について議論する機会が得られることを楽しみにしている」と続けています。(ブルームバーグ)今回の訪中では、習主席との会談も行われておらず、米中関係は貿易戦争を背景にここ数年で最も厳しい状況だと言えます。

 ドル円は「4時間足」の「120時間線」で下落が抑えられています。まだ日足では雲の上で推移しており、ここから判断すれば、上昇トレンドに変化はないと思われますが、早めのサインを出す「MACD」では既に「デッドクロス」を示現しています。本日は日本株も軟調に推移するでしょう。ドル円も下値を試すことになりそうですが、下値のメドは、NY市場のドルの安値である112円80銭前後と、その下では112円45-50銭辺りと見ています。久々に見る調整局面のため、ドルが下げた場合、どの程度買いが出てくるのかも、見る必要があります。

 レンジは112円40銭~113円40銭程度を予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)