東京時間に113円52銭前後まで売られたドル円は急反発。好調な米経済指標や長期金利が急騰したことを手がかりに、114円54銭までドル高が進み、今年の最高値を更新。ユーロドルは続落し、一時は1.1465まで売られる。その後、イタリアが財政赤字目標を引き下げる方針を示したことでユーロは小幅に反発。株式市場は良好な経済指標を好感し続伸。ダウは5日続伸し、連日で最高値を更新。ナスダックも25ポイント上昇し8000ポイントの大台を回復。債券相場はADP雇用者数の上振れや、ISM非製造業景況指数が予想を上回ったことで急落。10年債利回は3.18%台まで上昇。ドル高から金は反落。原油は反発し76ドル台に。イランからの供給が減少との予測はあるものの、投機的な資金の流入が価格を押し上げる。

9月ADP雇用者数        →   23.0万人

9月ISM非製造業景況指数  →   61.6

 
ドル/円113.80 ~ 114.54

ユーロ/ドル1.1465~ 1.1554

ユーロ/円 131.25 ~ 131.83

NYダウ +54.45 → 26,828.39ドル

GOLD -4.10 →1,202.90ドル 

WTI+1.18  →76.41ドル 

米10年国債 +0.118 → 3.181%


本日の注目イベント

豪   豪8月貿易収支
日   ラガルドINF専務理事が記者会見(都内)
米   新規失業保険申請件数
米   クオールズ・FRB副議長講演
米   パウエル・FRB議長講演

 ドル円は再び114円台に乗せ、114円台半ばまで上昇し、年初来高値を更新しました。昨日の朝方には、日本株の調整を手がかりに113円52銭前後まで売られ、短期的な動きを示す「1時間足」では「雲の下抜け」を見せたものの、そこから切り返しての上昇でした。この動きは、先月27日と同じ展開で、結局「上昇トレンド」が基調となっていることを表しているということです。

 昨日のドル高のドライバーは「米長期金利」でした。3.18%台まで急伸し、約7年ぶりの金利高(価格は下落)となっています。一部債券保有者がロングのポジションを解消したと思われ、金利急騰を引き起こしています。債券売りを促したのは、引き続き好調な経済指標でした。この日発表された9月のADP雇用者数は、予想の「18.4万人」に対して「23.0万人」と大きく上振れしました。また、9月のISM非製造業景況指数に至っては「61.6」と、手元の資料では確認できないため、ブルームバーグデータで調べたところ、1997年8月以来の高水準で、実に21年ぶりの数字でした。

 良好な経済指標を背景に、FRBが年内に「もう一回利上げ」をするのではないかとの見方も強まっています。日米金利差がさらに拡大していることから、機関投資家は一段とリスク選好姿勢を強め、ドルを積み上げているようです。ドル円は、すでに年初来高値を更新しており、114円台半ばまで上昇したことで昨年11月の114円74銭にも手が届きそうです。115円も視野に入ってきましたが、ドルに対してさらに強気の人は、2016年11月にトランプ氏が大統領選で勝利した後に記録した、118円台半ばも「口にする」かもしれません。

 ただ米金利上昇が常にドル高につながることにならないことは、今年2月に十分経験したはずです。連日最高値を更新していたダウが、2月2日の取引で665ドルの大幅安を見せました。そしてさらに、5日には1175ドルという記録的な下げを演じ、8日にも1032ドル下げるなど、坂道を転げ落ちるかのように下げ続けました。米長期金利の上昇を嫌気したものでしたが、その長期金利は、前日の2.78%から2日には2.84%台まで上昇し、21日には2.95%まで上昇しました。本来高金利を嫌う株式市場ですが、この時はまさに「教科書通りの反応」を示したわけです。109円台後半で推移していたドル円は、1カ月後には105円台まで円高が進んだことを記憶している方も多いのではないかと思います。もちろん、当時とは企業業積や経済環境は異なってはいますが、今後ドル円が115円を超えていくと予想される中でも、警戒感を持って望むことは必要です。米国発の貿易戦争は進行中です。ドル円がドル高に進めば進むほど、トランプ大統領からの「口撃」の可能性は高まります。本日のドル円は114円~115円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)