ポンド/ドル相場は9月の上げ幅を失いつつある。9月20日には一時1.33ドル目前まで上昇したが、昨日は1.30ドルを割り込んで反落。英国の欧州連合(EU)離脱=Brexitに対する楽観的な見方が萎んだためだ。なお、ポンド/ドルは足元の下落の過程で100日移動平均線(執筆時1.3120ドル前後)を明確に下抜けており、弱気相場入りしたと見られる。

 こうした中、本日は英国のメイ首相が与党保守党の党大会で演説を行うほか、米国では米9月ADP全国雇用者数と米9月ISM非製造業景況指数の発表が予定されている。ポンド/ドルはこれらの内容次第で大きく変動する可能性があり、弱気相場入りしたと見られるだけに、下落シナリオを警戒したいところだろう。

 メイ英首相は、BrexitについてEUとの経済関係を重視する穏健派寄りの離脱方針を示しているが、保守党内にはジョンソン元外相をはじめとする強硬離脱派も少なくない。本日の演説を経て与党内で「メイ降ろし」の機運が再燃しないか注意しておきたい。

 一方、米9月ADP全国雇用者数は前月(16.3万人増)を上回る18.4万人増が予想されている。また、米9月ISM非製造業景況指数は前月(58.5)から小幅に低下するものの、58.0と高水準を維持する見込みだ。貿易摩擦が激化しても米国の雇用情勢や景況感がさらに上向いた事が確認されれば、ドルを押し上げる材料になりそうだ。「米経済見通しは際立って良好だ」と述べたパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の見立てどおりならポジティブサプライズがあってもおかしくないだろう。

(執筆:外為どっとコム総合研究所  編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)