イタリアの財政・債務問題への懸念が高まりつつある。先月27日に同国政府が示した2019年-2021年の経済財政計画は、財政赤字の国内総生産(GDP)比を各年とも2.4%とする内容であった。トリア財務相が示していた1.6%まではいかずとも、2%程度を見込んでいた市場にとってネガティブサプライズとなった。政府債務残高のGDP比率が欧州連合(EU)の中でギリシャに次いで高いイタリアの財政拡張計画は、格下げリスクを高める上にEUとの対立の火種になりかねないためだ。イタリア政府の計画は、今後予算案の形にまとめられて欧州委員会に提出されるが、財政規律違反が認められた場合には、差し戻される可能性もある。

 欧州委員会の審査は11月まで行われるため、イタリアの財政・債務不安が、すぐに同国のユーロ離脱懸念に繋がる公算は小さいが、イタリア国債利回りや同国株の軟調推移が続けばユーロの重しとなりうるため、今後の欧州市場の動向を注視しておきたい。

 また、ユーロ/ドル相場ではドルの動きも重要となりそうだ。トランプ米政権の保護主義傾斜や、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続などによってドルは堅調推移が続いている。本日の米9月ISM製造業景況指数を皮切りに5日の米9月雇用統計まで続く、月初恒例の米重要統計発表ラッシュがドルをさらに押し上げる事になるのか注目される。

(執筆:外為どっとコム総合研究所  編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)