■プラチナ相場を考えるとき

 相場を読む。これは、プロですら難しいことです。投資のカリスマであるウォーレンバフェットですら、株価値下がりの影響で巨額のロスを出したなどと報道されることがあるくらいです。

 皆さんご存知のとおり、貴金属市場をめぐる現在の環境では、以下のような傾向があります。(1)金価格とプラチナ価格の逆転が数年継続している。(2)プラチナのライバルというべきパラジウム需要が強い。この二つの項目をあげるだけでもその背後にはいろいろな要素があると思われます。たとえば、金の産出国は世界中に広がっているが、プラチナは南アフリカ、ロシア、ジンバブエなど少数の国に産出国が偏っている。金は代替通貨的役割があるがプラチナはそうではない。そのほかいろいろな要素が挙げられると思います。

 ここでは、プラチナ相場を考えるとき考慮に入れる三つの要素について、改めて触れてみたいと思います。

■考慮に入れるべき三つの要素

○生産国の動向

 プラチナを産出する上位3か国というと、上記に挙げた3か国になります。いずれの国々も古い地層を抱えた大陸の中に位置しています。そして、それぞれの政情などがあります。南アフリカやジンバブエは独裁政権から移行して新たな政治を模索しつつあります。そのため、新たな政権がその経済運営の成果を試されるのは、これからといってよいでしょう。

 またロシアは、プーチン大統領というこれもパワフルな大統領が指導力を発揮しています。プーチン大統領が持っている重要なカードは、資源というカードです。もし、ロシアでのプラチナ、パラジウム供給に何らかの変化があったとき、パラジウムとプラチナの価格に影響を与えます。

○工業技術の動向と価格

 プラチナは、工業利用が大きな割合を占めています。フォルクスワーゲンの排ガス規制をめぐる不正事件や中国でのパラジウム利用などで、プラチナは苦しい状況にあります。逆の見方をすると、パラジウムの高止まりや、プラチナを使った新しい技術開発がブレークスルーした場合、高くなることも考えられると思います。このあたりは、見方、見通しはアナリスト、専門家でも分かれるところと思います。

○通貨の動向

 南アフリカの通貨ランドの動向は、プラチナ価格に大きな影響を与えます。一般にランド高の場合、プラチナは上昇し、需給バランスに影響を与えます。逆にランド安の場合、プラチナ価格は下落する可能性があります。南アのプラチナ資源企業は、そして、コスト割れとの闘いを強いられます。特に、南アフリカは労働者の地位向上によって賃金が上昇しているので、採算コストは常に頭を悩ませる問題です。

■最後に

 もちろん、上記の三つの要素の他に、インド、中国や日本の経済の動向とそれと関連する需要動向なども影響を与えます。プロであれ、個人投資家であれ、こうした要素をマトリックス的に把握して投資戦略を考えていかなければなりません。

 このように、プラチナの相場を読むのは大変難しい問題です。そのため、短中長期のそれぞれのスタンスを考えて投資戦略を決めていく必要があります。そして、長い目でプラチナを見ることが重要な点ともいえます。

 今回は、「プラチナ相場を考える上で考慮に入れる三つの要素」と題してお話しいたしました。(情報提供:SBIゴールド)(イメージ写真提供:123RF)