ドル円は東京時間夕方に112円44銭まで買われたものの、NY市場では上値を試すこともなく小動き。112円前半から半ばで推移し、上値がやや重くなってきたが、米金利の上昇がドルをサポート。ユーロドルはやや水準を下げ、1.16台で推移。中国の李首相が人民元切り下げを否定したことで、新興国通貨や豪ドルが上昇。株式市場は続伸したが、ナスダックは小幅なマイナスで引ける。米長期金利が続伸したことで、ダウは金融株を中心に158ドル高。ダウは3日連続で3桁の上昇を見せ、引け値でも2万6400ドル台に。債券相場は続落し、長期金利は一時3.09%台まで上昇。今回の上昇で、今後3%台が定着するとの見方も強まる。金は反発。原油は在庫が3年ぶりの低水準だったことを手がかりに大幅高。前日比1.27ドル上昇し、71ドル12セントで引ける。

8月住宅着工件数      →   128.2万件

8月建設許可件数      →   122.9万件

経常収支(4-6月)     →   -1015億ドル

 
ドル/円112.16 ~ 112.40

ユーロ/ドル1.1650 ~ 1.1693

ユーロ/円 130.78 ~ 131.31

NYダウ +158.80 → 26,405.76ドル

GOLD +5.40 →1,208.30ドル 

WTI+1.27  →71.12ドル 

米10年国債 +0.007 → 3.063%


本日の注目イベント

豪  豪4-6月期経常収支
豪  豪4-6月期GDP
欧  ユーロ圏9月消費者信頼感(速報値)
英  英8月小売売上高
米  新規失業保険申請件数
米  8月景気先行指標総合指数
米  8月中古住宅販売件数
米  9月フィラデルフィア連銀景況指数


 昨日のNY債券市場では、10年債利回りが一時3.09%台まで上昇(価格は下落)し、ドルを支える材料になりました。今週火曜日から3%の大台に乗せ、それ以降もジリジリと上昇が続いています。米中貿易問題も、市場は悪材料と見ていないということのようですが、今回は3%台が定着するといった見方も強まってきました。

 昨日は10年債だけではなく、20年債や30年債といった超長期債も揃って上昇しており、イールドカーブのフラット化にもやや変化が出てきました。ブルームバーグデータによると、短期債との利回り差はこの1カ月余りで 最大に広がっています。昨日の日銀決定会合では政策の変更はなく、黒田総裁は会見で(出口戦略は)「あくまでも2%の物価目標を達成してから」と語り、今後も現行の超低金利政策を継続していく姿勢を改めて示しました。日本の金利がまだ当分上がらず、一方で米国の金利が今後も緩やかに上昇すれば、日米金利差はますます拡大し、ドル円にとってもドルの支援材料になるはずです。もちろん、為替の水準は金利差だけでは決まりませんが、長い目で見ると、金利差は為替に大きな影響を与えていることも事実です。

 ドル円はチャートから見ても上昇傾向を示しており、足元の動きは112円台を固めている状況かもしれません。日米で株価が堅調であることから、「リスクオン」の流れが強まっており、特に出遅れ気味だった日本株は連日大幅高を見せています。日経平均株価は「2万3000円の壁」を超えてからは一気に上昇速度を速め、2万4000円も視野に入ってきました。加えて、朝鮮半島では、南北の融和ムードが高まり、北朝鮮は条件付きながら非核化に向けた姿勢を示しています。ポンペオ米国務長官は、国連総会に出席するため訪米中の北朝鮮外相と会談する予定もあるようです。

 本日は自民党の総裁選があります。午後には結果が判明するようですが、安倍氏が総裁に選ばれるのは確実で、焦点はその「勝ち方」です。再び安倍政権が立ち上がれば、「アベノミクス」にも再点火され、株価の支援材料になります。上でも触れたように、今週に入り日本株が上昇基調を強めているのも、そのあたりを先読みしているのかもしれません。株価の上昇はドル円の支援材料にもつながります。ただ、仮に僅差の勝利に終わるようだと、安倍氏の求心力にも疑問が付き、今後の波乱要因になるかもしれません。今朝のブルームバーグ・ニュースでは「安倍氏が僅差の勝利という結果になれば、安倍政権の終わりの始まり」という見方を紹介しています。

 米長期金利の上昇、朝鮮半島の平和的なムード、さらには堅調な日米の株価、といった好材料が揃っている中、米国発貿易戦争への警戒感は徐々に薄れつつあります。ドル円も上値を一気に突き抜ける地合いではないものの、底堅い動きが予想されます。本日の予想レンジは、安倍氏が圧勝するとの前提に、112円~112円80銭程度を見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)