米国が24日にも中国への追加関税の第3弾を発動するとされ、米中貿易戦争はより深刻度を深めようとしている。この貿易戦争によって、中国の景気にブレーキがかかるのではないかと懸念されている。大和総研経済調査部の主席研究員 齋藤尚登氏は9月19日に「但し書きの多い中国経済」と題したレポート(全8ページ)を発表。「外需の不透明感が増す中で中国の景気は減速しようが、そのペースは緩やかなものになるとみている」と分析した。レポートの要旨は以下の通り。
 
◆9月24日に米中追加関税引き上げ第3弾の発動が予定される。米中貿易は中国の大幅な出超であり、中国は同じ金額・関税率で報復措置を講じることはできない。この場合、輸出面では中国への影響がより大きくなるが、輸入面では中国への影響がより小さくなる。中国が自制した対応をすることで、中国の景気への影響をより小さくすることが可能であることが示唆される。
 
◆固定資産投資の底打ち・回復の鍵を握るのはインフラ投資である。ただし、足元のインフラ投資の急減速はデレバレッジ(負債率引き下げ)の成果でもあり、それに目をつぶってインフラ投資の回復を求めることは、デレバレッジが棚上げになるリスクを含んでいることには注意が必要であろう。
 
◆中国では10月1日より個人所得税の基礎控除額が引き上げられる。2018年第4四半期は所得税減税が消費をある程度下支えしよう。デレバレッジ棚上げの良し悪しは別にして、政府が経済の安定化を最重視する以上、インフラ投資の底打ち・回復への期待も高まろう。外需の不透明感が増す中で中国の景気は減速しようが、そのペースは緩やかなものになるとみている。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)