昨日の東京時間に111円65銭まで上昇したドル円は引き続き貿易問題への懸念からジリジリと値を下げる。111円12銭まで売られ、111円台はキープしたものの、依然として上値を抜け切れない展開が続く。ユーロドルもレンジに変化はなく、1.16を中心に推移。1.1650まで上昇したが勢いはなく押し戻される。株式市場は朝方は上昇したものの、その後はまちまち。ダウは27ドル上昇したが、引け値では2万6000ドルに届かず。債券相場は反発。長期金利は2.96%台へと小幅に低下。金は続伸。原油も大幅に買われ、70ドル台を回復。

8月生産者物価指数    →  -0.1%

ドル/円111.12 ~ 111.49

ユーロ/ドル1.1579 ~ 1.1650

ユーロ/円 128.93 ~ 129.72

NYダウ +27.86 → 25,998.92ドル

GOLD +8.70 →1,210.90ドル 

WTI+1.12  →70.37ドル 

米10年国債 -0.013 → 2.963%

 
本日の注目イベント

豪   豪8月雇用統計
トルコ 金融政策決定会合
独   独8月消費者物価指数(改定値)
欧   ECB政策金利発表
欧   ドラギ・ECB総裁記者会見
欧   IEA月報
英   BOE金融政策発表
米   新規失業保険申請件数
米   8月消費者物価指数
米   8月財政収支 
米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演

 ドル円は上値を試したものの、今回も一目均衡表の「雲の上限」を抜け切れず、押し戻されています。先週から今週にかけては111円25銭を2度付け、その後押し戻され、今回はその水準を抜け、111円65銭までドルが買われ、「今回こそ」との期待もありましたが、この水準も2度記録した後、111円台前半まで再び押し戻されています。

 米中貿易問題だけではなく、日本に対しても圧力を強めてきたトランプ大統領の「口撃」が次第にエスカレートする中、好調な米景気という材料だけではドルの一段高を望むのは簡単ではないようです。一方でドルの下値の方も、110円台半ば辺りが底堅く、足元では111円前後も徐々に固めているようにも見えます。どちらに抜けるか判断の難しい展開が続いていますが、ここはめげずに市場と対峙するしかありません。

 NY時間には米中貿易問題に関するやや明るいニュースも出ています。関係者が明らかにしたところによると、米国は中国との貿易関係のさらなる悪化を回避するため、中国に新たな通商交渉を行うことを提案したとのことです。ブルームバーグは、ムニューシン財務長官を中心とする米政府当局者が、中国の当事者に協議を申し入れたと報じています。先週には、6日に公聴会を終えればトランプ大統領はすぐにでも中国に対する2000億ドル(約22兆円)の追加関税を発動するとの観測があり、為替や、株式市場などは、それに備える動きを見せる場面もありましたが、まだ発動はされておらず、上記のように、できれば更なる悪化は避けたいといった「水面下の交渉」も行われているようです。

 ただ相手はトランプ大統領です。そう簡単に振り上げた刀をおさめることはないでしょう。特に中間選挙に向けて支持率を落とし、予備選挙でも苦戦を強いられているところに発売された「内幕本」でさらに苦境に立たされています。「FEAR」(恐怖)と題した本は、皮肉なことにトランプ大統領がよく批判しているアマゾンでは、売り上げがトップになっているようです。小生も是非手にとって読んでみたいと思いますが、本はトランプ氏の大統領としての資質に大きな疑問を投げかけているとのことです。トランプ氏も、さらに大きな成果を上げ、国民の注目を引く必要があり、貿易問題がさらにエスカレートすることも考えられます。

 本日は、ドル円以外の通貨が動きそうです。ユーロ圏と、イギリス、トルコでは政策金利の発表があり、オーストラリアでは雇用統計の発表があります。クロス円を通じて、ドル円にも影響があるかもしれませんが、ドル円は111円台を維持できるかどうかが注目されます。111円をしっかりと割り込むようだと、再び下値を試しに行く可能性があると見ています。大きくは、110-112円のレンジを抜け切るまでは「逆張り」に分があるようです。予想レンジは110円80銭~111円60銭程度と見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)