ドル円は小幅ながら緩やかに続伸。米長期金利が1カ月ぶりの高水準に達し、株価も3市場揃って上昇したことでドル買いが優勢に。ドル円は111円64銭まで買われ、直近につけた高値を抜いてきた。ユーロドルは前日と同じく、1.16を巡る展開となり、上下50ポイントの値幅に収まる。

 株式市場は3市場揃って上昇。ダウは3日ぶりに113ドル高となり、カナダとの通商交渉が進展しそうなことと、原油高からエネルギー関連株が上昇を牽引。債券相場は続落し、10年債利回りは一段と上昇。一時2.98%台に乗せ、約1カ月ぶりの高水準に。金は反発。原油価格は前日比1.71ドルの大幅高に。大型ハリケーン「フローレンス」が東海岸南部に上陸の可能性が高まったことを材料に買われる。


ドル/円   111.29 ~ 111.64
ユーロ/ドル 1.1565 ~ 1.1612
ユーロ/円  128.76 ~ 129.56
NYダウ   +113.99 → 25,971.06ドル
GOLD   +2.40   → 1,202.20ドル
WTI    +1.71   → 69.25ドル
米10年国債 +0.044  → 2.975%


本日の注目イベント

欧  ユーロ圏7月鉱工業生産
米  8月生産者物価指数
米  ベージュブック(地区連銀経済報告)
米  ブラード・セントルイス連銀総裁講演


 昨日の東京市場では、日経平均株価が久しぶりに大幅に上昇したことで、ドル円も順調に上昇し、先週からやや「壁」になりつつある111円25銭をしっかりと上抜け。NY市場では111円64銭までドル高が進んでいます。米中貿易問題の悪化が懸念されている中、目先は先週のドルの高値である111円76銭前後が抜けるかどうかが焦点になります。

 先週は、ここを頂点に下げに転じ、110円台半ばまでドルが売られました。本日この水準を試すような状況になれば、ドル売り注文も集まりやすいとは思いますが、抜け切れば、112円も視野に入ってきそうです。NY市場の高値の111円64銭は、日足の一目均衡表のちょうど「雲の上限」にあたります。言うまでもなく、「雲の上限」を抜け切れば、均衡が破れたという意味でドルが一段と上昇することは十分考えられます。

 前回とは米長期金利の水準も異なっており、ドルを支える構図にはなっていますが、一方で貿易問題を巡るトランプ大統領の「ツイッター」がいつ飛び込んでくるのかわかりません。ドルロングを仕込んでも、なかなか長期に維持できないのも事実ですが、雲を抜けきれば、テクニカルでもドル高が示唆されるのも、また事実です。ドルが下げても深押しはなく、米景気の強さを背景に直ぐにドルが反発する展開が続いており、まだ明確な方向性は出ていないと判断しています。先週後半にかけてはドルの下値を試し、抜け切れなかったことから今度は上値をテストしている段階だと理解しています。

 米国とカナダは、NAFTAを巡る再交渉を行いました。カナダ側は好ましくない協定には署名しないと主張していますが、カナダのフリーランド外相は、「非常に生産的かつ建設的な話し合いを持った。雰囲気は引き続きなごやかであり、双方とも友好的だ」と語り、「通商交渉では当然ながら、決まる時には一挙に決まる」と述べ、引き続き交渉には臨むようです。またトランプ大統領は「カナダ側は取引を強く臨んでいる。私としては成功すればいいし、成功できなくても問題ないという立場だ」と、ホワイトハウスで語っています。(ブルームバーグ)

 また現時点で最も注目されている米中の関税問題では、中国は「米国がWTO(世界貿易機構)の判断を順守していない」として、WTOに対して、米国に報復するための許可を今月求める方針だと伝えられています。このように、中国側も今のところ妥協する姿勢を見せてはいないことから、トランプ大統領が今日にでも2000億ドルの追加関税に言及してもおかしくはない状況です。

 本日は日本株も堅調な動きかと思います。昨日、日本株は大きく上昇し、上げ幅を拡大しましたが本日も、もし同じような動きが見られれば、上記水準のテストがあるかもしれません。出遅れている日本株がどこまで続伸できるのか、東京時間ではそれが材料になると見ています。

 予想レンジは111円10銭~112円程度でしょうか。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)