ドル円は小幅に上昇したものの、111円25銭で上昇がストップ。不透明な通商問題がドルの上値を抑える。その後111円台で推移しながら、111円05-15銭で取引を終える。ユーロドルは1.16の攻防から抜けきれず、この日も上値、下値とも限定的だった。株式市場はまちまち。ダウは59ドル安だったが、S&P500とナスダックは5日ぶりに反発。債券相場はほぼ変わらず。長期金利は2.93%台で推移。金と原油はともに続落。

7月消費者信用残高  →  16.640b 


ドル/円111.03 ~ 111.25

ユーロ/ドル1.1569 ~ 1.1617

ユーロ/円 128.53 ~ 129.07

NYダウ -59.47 → 25,857.07ドル

GOLD -0.60 →1,199.80ドル 

WTI-0.21  →67.54ドル 

米10年国債 -0.007→ 2.931%


本日の注目イベント

独  独9月ZEW景況感指数
独  独9月ZEW景気期待指数
英  英8月雇用統計
加  カナダ8月住宅着工件数


 再び動きの鈍くなったドル円は、111円を挟む展開となり、先週と同じ水準を維持しています。昨日の朝方には110円87銭前後までドル売りが進みましたが、その後はもみ合い、NY市場ではドルが買われましたが、111円25銭で上昇が止まっています。この水準は、先週末の雇用統計発表直後にドル高が進んで記録した水準とまったく同じレベルです。上にも行けず、さりとて下にも行けないドル円は、次の材料を待っている状況です。

 昨日は全般的に好材料が出て、「リスクオン」の流れに傾いた印象でしたが、それでもドルの上値は「貿易戦争」という壁に阻まれているようです。北朝鮮の金正恩委員長がトランプ大統領との2回目の首脳会談を要請したとのニュースがありました。会談の目的は明らかにされてはいませんが、ホワイトハウスは「非常に温かく、非常に前向きなようだ」として、米国側も既に調整のプロセスにあることを発表し、実現に向けて会談場所などの選定を行っているようです。(ブルームバーグ)

 昨日はさらに、英国のEU離脱が現実に近づいてきたようなニュースもありました。EUのバルニエ交渉官は昨日スロベニアで、「なおいくつかの問題は残っているものの、英国のEU離脱に関する合意を8週間以内に結ぶことは現実的」との認識を示しました。この発表を受けポンドドルは1.29台半ばから100ポイントほど上昇しています。また財政赤字の拡大が懸念されるイタリアでは、トリア財務相が成長促進のために債務削減と財政赤字抑制が必要であることを政府は理解していると発言しています。

 これらはいずれもドル買い材料と見られますが、今週は特に中国に対する追加関税の発動が予想され、これがドルの上値を抑える展開です。加えて、トランプ大統領は先週あたりから日本に対する貿易不均衡にも言及し始めており、今月下旬に予定されている日米貿易協議の結果次第では、さらに日本に対しては一段と厳しい「口撃」をしてくる可能性があります。方向感のないドル円は、先週はほぼ雲の中(日足)に留まっており、上下とも抜け切れない状況です。米長期金利が再び3%を目指す動きになっていることがドルの下値を支えてはいますが、111円台半ばを抜け112円に行くには、どうしても不透明な貿易問題に一筋の光が差し込む必要があります。ここは我慢するしかありません。本日の予想レンジは110円70銭~111円40銭程度でしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)