ドル円は上値が重いものの堅調に推移。アジア市場の流れを引き継ぎ、111円76銭までドルが買われた。ユーロドルは前日より小幅に上昇。英国のEU離脱交渉を巡って英国とドイツが主要な要求を取り下げたと伝わり、ポンドとユーロが買われた。ユーロドルは1.1640まで上昇し、ポンドドルも1.2908まで買われる。

 株式市場はまちまち。アップルなどIT株が下げ、ナスダックは96ポイントの下落。一方ダウは22ドルの上昇で取引を終える。債券相場には大きな動きは見られず、小幅に下落。長期金利はやや上昇し、2.90%台に乗せる。金は反発し1200ドル台を回復。原油価格は1ドルを超える大幅反落。


7月貿易収支 → -501億ドル

ドル/円   111.44 ~ 111.76
ユーロ/ドル 1.1572 ~ 1.1640
ユーロ/円  129.08 ~ 129.99
NYダウ   +22.51 → 25,974.99ドル
GOLD   +2.20  → 1,201.30ドル
WTI    -1.15  → 68.72ドル
米10年国債 +0.004 → 2.902%

 
本日の注目イベント

豪  豪7月貿易収支
米  新規失業保険申請件数
米  8月ADP雇用者数
米  8月ISM非製造業景況指数
米  ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
加  カナダ7月建設許可件数


 昨日の東京時間朝方に111円71銭まで上昇したが、その後111円40銭前後まで押し戻されたドル円は、NY市場では再び上値を試し、111円76銭と、東京での高値を若干ですが上回る場面がありました。短期的な動きを示す「1時間足」を見ても、先月末に記録した110円70銭前後を底値に下値を切り上げる動きになっています。米中貿易問題では、今週中にもトランプ大統領が中国に対して追加関税第3弾を発動するのではないかという懸念が高まっていることで、上値を大きく超えていく展開ではありませんが、これまでの動きとはやや異なってきたというのが大方の印象でしょう。

 NY市場の引け値は111円台半ばと、高値からはやや反落して取引を終えていますが、111円台前半でショートを振った投資家にとっては落ちつかない動きが続いています。中国に対する追加関税が発動されれば、市場はまずドル売りで反応すると予想され、ショートポジションをうまく手仕舞うことができそうですが、そのタイミングが分かりません。引き続きレンジ内での動きで、「そのレンジの上限を試しているところ」と、見られなくはありませんが、もしこの先もドルが緩やかに上昇するようなら、メドは8月1日につけた112円15銭ということになります。ここから徐々に下げる可能性もありますが、米中貿易問題に加え、明日は雇用統計もあり注意が必要です。

 ドル円はテクニカル面でも非常に重要な局面にいます。NYで111円76銭を記録したとはいえ、引け値で下げていることで、まだ完全に日足の雲抜けが完成されたわけではありません。今朝の時点では、雲の上限は111円50銭をやや下回ったところに位置しています。本日の引け値がここを下回って引けるようだと、結局高値を抜けずに押し戻されたことになり、再び「弱気相場入り」となる可能性もあります。もっとも、その場合でも雲の中段にある「転換線」が111円26銭近辺にあるため、ここを下回らなければ、上昇基調は維持されていると判断できます。

 また「MACD」でも同じように、「マックD」はプラス圏に入り、上昇をうかがわせていますが、「シグナル」はゼロの軸にかかっており、まだプラス圏に入ったとは言えず、こちらも微妙なレベルにいます。「移動平均線」でも同様に、中期線として見ている「120日線」が、現在長期線の「200日線」と交わっているところで、「120日線」がもう一段上昇すると、下から「200日線」、「120日線」そして短期線として見ている「52日線」が順列に並び、ドル高トレンドを完成させることになります。8月1日に記録した112円15銭に達すれば、上記テクニカルは全て強気サインを点灯すると見られます。

 このように、今週に入りジリジリと上昇してきたドル円は、米中貿易問題を引きずりながらも112円方向に向かってきました。ドル円がこの先、再び元の鞘に戻るのか、あるいはここから明確な上昇トレンドを形成して行くのか、分水嶺になります。

 本日のレンジは111円10銭~112円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)