NY市場がレーバーデーによる休場のため、ドル円は小動き。110円95銭近辺から111円17銭での動き。ユーロドルは1.16を挟み、上値は1.1628前後までユーロ高が進む。
ドル/円110.96 ~ 111.17
ユーロ/ドル1.1596 ~ 1.1628
ユーロ/円 128.76~ 129.15
NYダウ ------ → 25,964.82ドル
GOLD ------ →1,206.40ドル
WTI ------ →69.80ドル
米10年国債 ------ → 2.860%
本日の注目イベント
豪 RBA、キャッシュターゲット
豪 豪4-6月期経常収支
欧 ユーロ圏7月生産者物価指数
米 8月ISM製造業景況指数
米 8月自動車販売台数演
NY市場が祝日で休場だったことで、為替は動きがありません。昨日の東京時間では上値が重く、株価も軟調だったことで、111円台から緩やかに下落し、110円80銭前後までドル安が進みましたが、欧州市場に入ると、今度は緩やかに上昇し、111円17銭までドルが買い戻されています。注目は新興国通貨の動きでしたが、昨日はトルコの8月の消費者物価指数が発表されました。
事前予想は「17.6%」と、既に高めの予想でしたが、「17.9%」と発表され、予想を上回っていました。今年4月には12%を下回っていたものが、わずか4カ月で6%の上昇です。トルコリラはこの発表後売られましたが、トルコ中銀が声明を発表したことで下げ幅は縮小しています。トルコ中銀は、「使い得るあらゆる手段を駆使し、13日の政策会合で金融政策のスタンスを調整する」と表明しました。
インフレが急速に進んでおり、市場では物価の安定には5%以上の利上げが必要だとの観測もありますが、エルドアン大統領が利上げどころか、「利下げ」を望んでいることから、中銀もその意向を無視できない状況が続いています。インフレが加速しているにもかかわらず利上げができないことで、通貨リラがさらに売られ、これがインフレをさらに上昇させるという「悪循環」に陥っています。ここはトルコ中銀がむしろサプライズを演出するくらいでないと、この「悪循環」を断ち切れません。トルコはロシア寄りの姿勢を示していることから、対米国との関係も悪化し、先月にはトルコに売却予定であった「ステルス戦闘機」を、トランプ大統領は売却凍結を指示したばかりです。米国人牧師がトルコに拘束されていることもあり、トランプ大統領はさらなる制裁を発動するかもしれません。来週13日の中銀政策発表が注目されます。
本日も東京時間中は余り動きがないものと思われます。米国株に比べ上値の重い日経平均株価も、ドル円の上昇を抑えそうです。ただ、今週末の雇用統計を皮切りに、今月は内外でイベントが多く予定されているため、さすがのドル円も動きが出るものと予想しています。早ければ今週末から来週にも発動予定が発表される可能性のある、中国に対する「制裁関税第3弾」が最大の焦点になりそうです。本日のレンジは110円70銭~111円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
【為替本日の注目点】トルコ8月のCPIは15年ぶりの高水準
2018-09-04 09:28

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