ドル円はこの日も小動き。111円を挟む水準で一進一退。米国がメキシコとの間で貿易協定を締結するとの報道でドル売りが強まり、110円95銭までドルが売られたが勢いはなく、111円台に押し戻されて引ける。ユーロドルは続伸し、1.17手前までユーロ高が進む。独ifo景況感指数が予想を上回ったことがユーロ買いにつながった。株式市場は米国がメキシコとの貿易協定締結を発表したことを好感し大幅に続伸。ダウは259ドル上昇し、2万6000ドルの大台に乗せ、ナスダックは初の8000ポイント達成。S&P500も連日で最高値を更新。債券相場は反落。長期金利は2.85%台まで上昇し、2.84%台で引ける。金は続伸。原油価格も小幅ながら続伸。

ドル/円110.95 ~ 111.12

ユーロ/ドル1.1626 ~ 1.1693

ユーロ/円  129.15~ 129.83

NYダウ  +259.29 → 26,049.64ドル

GOLD  +2.70 →1,216.00ドル 

WTI  +0.15  →68.87ドル 

米10年国債 +0.036 → 2.846%


本日の注目イベント

欧  ユーロ圏7月マネーサプライ
米  6月ケース・シラ-住宅価格指数
米  8月消費者信頼感指数
米  8月リッチモンド連銀製造業指数


 トランプ大統領は昨日、急遽ホワイトハウスの大統領執務室でメキシコとの間で新たな貿易協定に署名すると発表しました。大統領はNAFTA(北米自由貿易協定)という名称は印象が悪いとして、新たな協定にはNAFTAの名称は用いないと発言し、「米メキシコ貿易協定と呼ぶことにする」とし、NAFTAには「悪い意味合いがある。米国が何年にもわたってNAFTAにひどく痛めつけられたためだ」と説明しています。(ブルームバーグ)

 ドル円は、この発表後にやや売られ、111円を割り込んでいますが、大きな動きはなかったようです。この発表に反応したのは株式市場でした。ダウは259ドル上昇し、2万6000ドルの大台を回復し、ナスダックは初の8000ポイントに乗せました。また前日史上最高値を更新したS&P500はこの日も上昇し、連日の最高値更新でした。先週末のパウエルFRB議長の講演では、利上げを急がないとの発言があり、市場には、利上げ政策の停止も近いのではとの観測が広がったことも株価に有利に働いているようです。

 ドル円は、先週末には111円台半ばまでドル高が進みましたが、今回も今のところレジスタンスゾーンである111円台半ばは抜け切れずに110円台後半まで落ちてきました。なかなか明確な方向性が見つけられずに、やりにくい相場展開が続いています。110-112円のレンジ内取り引きと割り切って、「逆張り」も有効なのかもしれませんが、このレンジが何かをきっかけに上下に大きく抜けることもないとは言えません。そのため、レンジの外ではストップを入れておく必要があります。

 最近のドル円の動きは、「有事の円買いではなく、有事のドル買い」に傾いています。昨日も、米国がNAFTAに変わる新しい貿易協定をメキシコとの間で結んだことがドル売り円買いにつながっていました。この流れがどこまで続くのか、今後も注意して見ていく必要があります。本日のドル円は110円70銭~111円50銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)