ドル円は110円台で一進一退。トランプ大統領の政治的リスクが意識され売られる場面があったものの、FOMC議事録では、今後の利上げスタンスが確認されたことでドルはしっかり。110円62銭まで上昇したが取り引きは不活発だった。ユーロドルは引き続き堅調に推移。1.1623までユーロ高が進む。株式市場はまちまち。ダウは5日ぶりに反落したが、ナスダックは続伸。FOMCで利上げペースに変更がないことが示されたことが重石に。債券価格は上昇。10年債利回りは小幅に低下し、2.82%近辺に。金は4日続伸。原油は在庫が大幅に減少していたことで2ドルを超える上昇に。

7月中古住宅販売件数 →  534万件

ドル/円110.24 ~ 110.62

ユーロ/ドル1.1580 ~ 1.1623

ユーロ/円  127.95~ 128.28

NYダウ  -88.69 → 25,733.60ドル

GOLD  +3.03 →1,203.30ドル 

WTI  +2.02  →67.86ドル 

米10年国債 -0.011 → 2.819%

 
本日の注目イベント

独  独8月製造業PMI(速報値)
独  独8月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏8月製造業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏8月サービス業PMI(速報値)
欧  ユーロ圏8月総合PMI(速報値)
欧  ユーロ圏8月消費者信頼感(速報値)
米  新規失業保険申請件数
米  6月FHFA住宅価格指数
米  7月新築住宅販売件数

 ドル円は、トランプ大統領の個人弁護士を努めていたマイケル・コーエン被告が有罪答弁を行ったことで、トランプ政権の政治的リスクが意識されドルが売られる場面がありました。ただ、それでも110円台前半で下げ止まり、その後は公表されたFOMC議事録で今後の利上げペースが変わらないことが示唆されたことを材料に110円62銭までドルが買われましたが、上値の方も限定的な1日でした。

 議事録では、「入手するデータが引き続き現在の経済見通しを支えれば、政策緩和をもう一歩解除するのが近く適切になる可能性が高いことを多くの参加者が示唆した」と記されています。また議事録では、「声明での金融スタンスに関する委員会の表現を見直すことがそう遠くない将来に適切になる可能性が高い」と述べ、政策スタンスを緩和的と表現するのは、「かなり近いうちに適切でなくなる」と予想しています。そして、足元の貿易問題についても「現在の貿易面での対立や提案されている貿易関連措置について、不確実性ならびにリスクの重要な要素だと全参加者が指摘した」とあります。(ブルームバーグ)これまでも、保護貿易問題を懸念する文言が記されたことはありましたが、「全参加者」という文言が使われたことはなく、FOMCメンバーの多くがトランプ政権の通商政策の行方に懸念を抱いていることが理解できます。これで、明日のジャクソンホールで行われるパウエルFRB議長の講演でも、貿易問題に触れる可能性が出てきたと考えます。

 昨日から行われている米中事務レベルでの通商協議では、これまでに特段成果は出ていないようです。ホワイトハウスのサンダース報道官も「特段成果はない」と述べています。既に日本時間23日の午前0時1分に米中が同時に160億ドル(約1兆8000億円)の関税引き上げを発動しています。協議では中国側は米国から追加関税措置を取り下げることを条件に、農産物やエネルギーの輸入拡大を提示すると見られていますが、米国側もそう簡単には条件を受け入れない姿勢を示すと予想されます。

 結局今回の2日間の協議では両国の溝は埋まらず、焦点はこの次の2000億ドル規模の追加関税が実施されるのかどうかに移ってきます。2000億ドルの追加関税案については、20日から6日間の日程で公聴会が開かれています。ブルームバーグによれば、パブリックコメント期間が終了する9月6日以降に実施される可能性があるとの見方を伝えています。既に500億ドル相当の関税引き上げが実施されていますが、中国としても2000億ドル相当の関税引き上げは何としても回避したいところ。トランプ大統領と習近平主席とのトップ会談実現の可能性も模索されているようですが、日程的に間に合いそうもありません。相手がトランプ氏だけに、このまま行けば実施してくる可能性は高く、中国側がどのような譲歩案を提示してくるのか、注目したいと思います。

 110円台半ばで戻ってきたドル円は、東京時間では109円台も111円台もなさそうです。2日前に109円台まで下落した後は、110円台で一進一退の動きが続いていますが、クロス円が戻り基調になっているのが、これまでとはやや異なる変化です。クロス円の買いは、ドル円のサポート材料になります。本日のレンジは110円10銭~110円90銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)