東京市場で109円77銭前後まで売られたドル円は緩やかに反発し、110円55銭まで上昇。その後、トランプ大統領の中国とEUが為替操作を行っているとの発言が材料視され、110円15銭まで反落。ユーロドルはショートカバーが優勢となり、約2週間ぶりに1.16台まで反発。トランプ大統領の為替操作を行っているとの発言がユーロ買い戻しにつながった。

 株式市場は続伸。ダウは4営業日上昇し、2万5800ドル台まで上昇、S&P500も取引時間内に最高値を更新。債券相場は小幅に反落。長期金利は2.83%台を回復。金と原油は揃って続伸。


ドル/円   110.15 ~ 110.55
ユーロ/ドル 1.1492 ~ 1.1601
ユーロ/円  126.84 ~ 128.05
NYダウ   +63、60 → 25,822.29ドル
GOLD   +5.40  → 1,200.00ドル
WTI    +0.92  → 67.35ドル
米10年国債 +0.011 → 2.830%

 
本日の注目イベント

米  7月中古住宅販売件数
米  FOMC議事録(7月31、8月1日分)
米  カンザスシティー連銀主催の年次シンポジューム(25日まで、ジャクソンホール)
米  米中次官級通商協議
中  米製品160億ドル相当への関税25%発動
米  中国製品160億ドル相当への関税25%発動
加  カナダ6月小売売上高


 昨日の東京時間にドル円は109円77銭前後まで売られ、約2カ月ぶりに110円割れを示現しました。トランプ大統領がロイター通信とのインタビューで、利上げに対する「不満」を表明したことで、来月のFOMCでの利上げは揺るがないものの、それ以降の利上げスタンスに影響が出るのではないかといった懸念が強まったことが背景でした。ただ、昨日の午後からは再び110円台を回復し、NY市場では朝方に110円55銭までドル買いが進みましたが、上値は重く、110円台前半で折り返してきました。

 今回の109円台での滞空時間は短かったですが、今後の米中貿易問題やトルコへの追加制裁を考えると、まだドル円の上値は重いと考えざるを得ません。本日からワシントンで実務者レベルの米中通商協議が再開されますが、これについてもトランプ氏は「多くの進展を期待していない」と述べ、貿易戦争に「期限はない」と語っており、「貿易問題に対するトランプ大統領の強い意志を侮るべきではない」とロス商務長官が述べていたように、トランプ氏が強気の姿勢を崩すことはないと予想されます。協議は明日まで行われることになっていますが、この協議から両国が貿易戦争回避への糸口をまったく見出せないようだと、市場は再びドル売りで反応する可能性があります。協議に関する情報には注意したいところです。

 ドル円は109円77銭前後で下げ止まりましたが、これは「週足」の「120線」に支えられた格好になっています。一方でその後の上昇は「1時間足」の雲の下限で抑えられ、現在はその雲に沿って上値を徐々に切り下げてきているところです。「週足」では長期の「三角保ち合い」(さんかくもちあい)を下抜けしており、チャートからは下げを示唆しているように見えます。それでも『雲の形』を見ると、細長く、余り明確な方向性は掴めません。110~113円のレンジをやや下方にシフトし、110円を挟んだレンジに移行する途中かもしれませんが、もうしばらくは動きを注意深く見極める必要があります。

 本日は7月のFOMC議事録が公表される他、それほど重要な指標もありません。日中は、日本株の動きに左右される展開でしょう。好調な米国株に比べ、日本株の動きは冴えません。為替がやや円高に振れているとしても、企業の想定レートをかなり上回っています。第1四半期決算でも、多くの企業は「増収増益」でした。日本株の動きはなかなか理解できません。

 本日のレンジは109円70銭~110円60銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)