トルコリラの下落が止まらない。リラは、対ドル、対円のみならず、対ユーロや対ポンドでも史上最安値を更新している。昨日のリラ安は、(1)米通商代表部(USTR)が前週末にトルコの非関税での米市場へのアクセス見直しを表明した事が引き金となったが、(2)トルコ中銀による外貨準備率の引き下げも、「焼け石に水」と受け止められた。そのほか、(3)日本の個人投資家のロスカットを巻き込んだ事もリラが下げ足を早める一因になったと見られる。

(1)に関しては、トルコが米国の鉄鋼・アルミ関税への報復措置を導入した事への報復返しであり、16.6億ドルに及ぶトルコの対米輸出に影響する可能性があるとされる。

(2)はリラ防衛策として発表されたものだが、外貨準備率の小幅な引き下げ(45%から40%)は、むしろトルコ中銀の手詰まりを露呈させる事になった。

(3)については、昨日クローズ時点における個人投資家のリラ買い残高が大幅に減少しており、下げの過程で断続的にロスカットの動きが出たと見られる。

 本日は、「トルコ当局の代表団が米国との対立に関して協議するため、2日以内にワシントンを訪問する」と報じられた事でリラに買い戻しが入っており、昨日20.50円前後まで下落したトルコリラ/円も一時21.15円前後まで反発している。とはいえ、現時点で過剰な反発期待をかけるのは慎むべきだろう。エルドアン大統領に対する市場の不信感は想像以上に強く、投機筋が戻り売りの機会を狙っている事は容易に想像できる。仮に対米協議が進展しなければリラ売りが再開する可能性が高いため、協議の行方を見守るべきであろう。トルコリラ/円の20円割れは、日本の個人投資家のさらなるロスカットを誘発する公算が大きいため注意しておきたい。(執筆:外為どっとコム 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)