ドル円は雇用統計を受け下落。賃金が伸びておらず、ISM非製造業景況指数も軟調だった、さらに長期金利も低下したことで111円11銭まで売られる。ユーロドルも売られ、一時1.1560と、1カ月ぶりの安値を記録。ユーロ圏のPMIが予想を下回ったことがユーロ売りにつながった。

 株式市場は3主要指数が揃って上昇。雇用統計は予想を下回ったものの、3カ月平均でみれば引き続き好調との見方も。ダウは136ドル上昇し、S&P500は 5週連続で上昇。金は3日ぶりに反発。原油は反落。


7月失業率         → 3.9%
7月非農業部門雇用者数   → 15.7万人
7月平均時給 (前月比)  → 3.3%
7月平均時給 (前年比)  → 2.7%
7月労働参加率       → 62.9
6月貿易収支        → -46.3bドル
7月ISM非製造業景況指数 → 55.7

ドル/円   111.11 ~ 111.63
ユーロ/ドル 1.1560 ~ 1.1610
ユーロ/円  128.67 ~ 129.41
NYダウ   +136.42 → 25,462.58ドル
GOLD   +3.10   → 1,223.20ドル
WTI    -0.47   → 68.49ドル
米10年国債 -0.037  → 2.949%

 
本日の注目イベント

日  6月景気動向指数
欧  企業決算 → HSBC


 7月の雇用統計では、失業率が3.9%と、予想通り前月から改善していました。一方、非農業部門雇用者数は15.7万人と、予想を下回りましたが、6月分と5月分がそれぞれ上方修正され、その数、合わせて5万9000人でした。結局、直近3カ月平均で見れば、22万4000人となり、引き続き好調な雇用環境が続いています。ブルームバーグは、バークレイズのエコノミストのコメントを紹介しており、それによると、「現時点では、関税を巡る懸念は本当にただの懸念でしかない」、「企業が雇用や支出の方法を変える兆候はない」と語っています。

 この日は、ドル円は売られて111円11銭まで下落しましたが、それでも111円台は維持しています。さらに株価の方はダウは136ドル上昇し、S&P500に至っては、先週プラスで終わったことで、5週連続の上昇です。これらを見る限り確かに米中貿易戦争の影響は微塵も見られません。しかし、週末には中国が新たな対抗処置を発表し現時点では中国側は一歩も引く構えは見せていません。

 中国は3日、米国から輸入する約600億ドル(約6兆7000億円)分の製品に最大で25%の追加関税をかける報復措置を発表しました。この措置は、現在トランプ政権が検討している2000億ドルの中国製品に対する関税が実施されたら、ただちに発動するとしているものです。米中の報復合戦は泥沼化し、もしこの両措置が実施されたら、まさに貿易戦争状態と言えるし、あらたな段階に入ったとも言えるでしょう。中国側もそうですが、トランプ大統領も一歩も譲る構えは見せておらず、大統領側近も「中国はトランプ大統領のやり通す決意を侮ってはいけない」(ボンペオ国務長官)など、過激な発言をしています。

 トランプ大統領は5日にもツイートし、「どの国も米国から富を奪いたがっていて、常にわれわれの不利益となる」とし、「こちらへやってくるなら。それに課税しろということだ」と発言しました。このような発言を考えると、トランプ政権は結局最後は自動車問題に焦点を当ててくる可能性が十分あります。そうなれば、日本も本格的に貿易戦争に巻き込まれることになります。最大の懸念事項である米中貿易問題に終息の兆しが全く見えない中、市場は極めて楽観的なのが気になりますが、「ただの懸念」で終わってくれることを願いたいと思います。

 本日のドル円は110円70銭~111円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)