ポーラ・オルビスホールディングス <4927> は、2010年の東証1部上場以来8期連続で、増収・営業増益を続けている。化粧品市場が成熟する中、シワ改善効果のある高機能商品「POLA リンクルショット メディカル セラム」が大ヒットし、大幅増益を実現した。先ごろ開催された女性向けIRセミナーで、同社法務総務室 SR担当課長の庭屋伸和氏は、「2020年に向けた中長期ビジョンは順調に進展し、美と健康分野における高収益グローバル企業をめざし、力強く歩み続けている」と、事業の現状について語った。説明内容の要旨は、以下の通り。
 
◆来年で創業90周年、100周年に向けてグループ理念を刷新
 
 私どもポーラ・オルビスグループは創業1929年となり、来年で創業90周年を迎えます。2006年に持ち株会社ポーラ・オルビスホールディングスを設立し、2010年に東証1部に上場しました。おかげさまで、上場以来8期連続の増収・営業増益を続けています。現在、特徴のある6ブランドを抱え、更なる進化と共に美と健康分野におけるグローバル企業をめざしております。
 
 そこで、創業100周年に向かってグループ理念を刷新しました。「感受性のスイッチを全開にする」という新たなメッセージには、「人々の感受性を刺激し、人生を変えるほどのきっかけを与える存在になりたい」という私どもグループの想いが込められております。
 
 創業の経緯は、静岡県で創業者の鈴木忍氏が、妻の手が荒れていることを心配して、ハンドクリームを開発したことからはじまり、一人ひとりにお手渡しする訪問販売を通じてポーラは成長を遂げました。しかし、1980年代になると女性の社会進出が活発になり、訪問販売への逆風の時代が訪れます。そこで、逆転の発想からポーラとは対称的な人を介さない中価格帯の通販型ビジネスとなるオルビスを立ち上げました。このように時代の変化に合わせ、ユニークなビジネルモデルとお客さまニーズに適った様々なブランドを提供することで長期的、安定的な経営ができるように取り組んでおります。
 
◆ポーラ・オルビスグループの3つの特徴
 
 まず、グループの特徴である「マルチブランド戦略」には、3つの大きなブランド群があります。基幹ブランドの「POLA」と「ORBIS」は、国内を中心に勢力的に展開する主力ブランドです。海外ブランドは、「Jurlique」と「H2O+」をM&Aで買収することで海外事業に弾みをつけております。育成ブランドとしては、成長著しい「THREE」と「DECENCIA」があります。ブランドごとに価格帯や購入場所などを分けて展開していますので、互いに競合することなく、相互補完することで市場の変化によらず業績が安定するという効果がこの戦略にはあります。
 
 次に、「高いスキンケア比率」です。一般的に市場全体として、スキンケア比率は50%弱であることに対し、当グループのスキンケア比率は67%程度になり、特に「エイジングケア」「ホワイトニング」分野に力を入れております。スキンケアは、メイクアップ商品と比較して流行に左右されにくく、かつ、一度気に入っていただけると繰り返し使っていただける高いリピート率があります。これによって業績が安定するということにつながります。
 
 最後に、お客さまとの強い結びつきによる「ダイレクト販売」です。ポーラでは販売を担当するビューティーディレクター約4万6,000人が、お客さま一人ひとりにプロのカウンセリングを提供しています。また、通販のオルビスでもポーラの「One to Oneカウンセリング」のようなシステム開発をしており、お客さまのニーズや購入履歴などに基づいて最適なサービスが提供できるようにしています。このようなきめ細かな対応によって、お客さまとのロイヤリティを築き、生涯に亘り末永くご愛顧いただくことで長期的な経営にもつながります。
 
 もちろん、お客さまへご提供する商品の研究開発にも力を入れております。研究開発を担うポーラ化成工業株式会社では、お客さまから採集された「肌データ」が、現在1,750万件以上、肌分析センターに蓄積されており業界トップのビッグデータとなります。その豊富なデータに裏付けられたスキンケアに関する研究開発の内容は、国際的な化粧品の技術発表の場であるIFSCC(国際化粧品技術者会連盟)で優秀賞・最優秀賞を過去8度受賞しており、世界的トップレベルの研究開発となります。
 
 本年より更なる研究開発のため、グループの研究開発体制を刷新しました。これにより、化粧品の枠を超えた研究開発や理化学研究所など外部機関との共同研究も行っています。
 
◆スキンケアの研究開発から生まれたヒット商品が社会現象に
 
 2017年1月に発売した「POLA リンクルショット メディカル セラム」は、グループの研究開発力の集大成であり、日本で初めてシワを改善する効果が承認された薬用化粧品です。初年度の売上目標100億円に対して、130億円(94万個)を販売して目標を大幅達成することができました。今もなお多くの皆さまにご好評をいただいております。
 
 おかげさまで、リンクルショットは多くの女性誌、ファッション誌の「ベストコスメアワード」や「2017年ヒット商品ランキング」などにも選ばれ、多くの皆さまに認めていただき社会現象を引き起こすことができました。こらからも、こうした高機能商品の開発に取り組むことで更なるブランド価値向上に努めて参ります。
 
◆今後の化粧品市場の展望と2018年見通し
 
 今後の化粧品市場は、引き続きインバウンド増加はあるが、国内の市場動向は全体としては横ばい傾向です。ただ、その内訳は年々変わってきており、スキンケア比率が増えていることが特徴です。スキンケアの中でも、「エイジングケア」と「ホワイトニング」が拡大しています。 これは高齢化に伴い、「シワ」「シミ」の悩みが顕在化しており、そのニーズに応えるハイプレステージ(単価1万円以上)高機能品の需要が広がってきているからです。少なくとも2020年までは傾向が続くと考えております。
 
 そうした中、2017年12月期の連結決算は、売上高2,443億円(前期比11.8%増)営業利益388億円(前期比44.9%増)と大幅成長しました。現在、連結売上の93%を占めるビューティケア事業(=化粧品事業)には6つのブランドがありますが、その中で63%を占める「POLA」がポーラ ザ ビューティを代表とする誘客型ショップが好調となり、育成ブランド「THREE」「DECENCIA」も順調に成長したことが結果につながりました。一方で「ORBIS」と海外ブランドが減収しましたが、ブランド再構築、経営の建て直しをすることで再起をめざします。
 
 今期の見通しも、インバウンド売上に占める割合を7%程度と前期並みと考え、リンクルショット売上も引き続き目標の100億円を見込んで、売上高2,530億円(3.5%増)、営業利益415億円(6.7%増)で上場以来9期連続の増収・営業増益に向かって参ります。 また、育成ブランドの拡大成長を狙いTHREEを展開する株式会社ACROより、今後3ブランドを立ち上げることになりましたので、ぜひ楽しみにしていてください。
 
◆2020年に向けた中長期ビジョンと株主還元
 
 2020年までに高収益グローバル企業をめざして、中長期経営計画を3つに分けており、今期はSTAGE3になります。2017年~2020年までの目標は連結売上高2,500億円以上、海外売上高比率20%、営業利益率13%~15%、ROE12%としています。売上規模では今年度に2,500億円を超える見通しですが、海外売上比率は一段と高める必要があります。また、ROE目標は2012年度4.2%から2017年度14.2%まで10%高まり、すでに目標以上に効率的な経営を実施しております。これにより、引き続き効率的な経営を進めることで、株主還元となる配当性向を60%以上と株主様へ宣言しております。今年度は、年間で80円の配当(中間35円、期末45円)を予定しております。
 
 合わせて、私どもの株主優待は特徴として「ポイント制」を導入しております。保有年数や株数に応じて、1ポイント100円相当のポイントとし、お好きな商品と交換いただく仕組みです。最長3年までポイントを貯めることも出来て、3年以上株式を保有するとポイントアップします。
 
 100株を保有いただいている方は、3年間で65ポイントになりますので、グループの5ブランドの中からお好きな商品をお選びいただけます。また、「届け先の指定変更」も承りますので、ご親戚やご友人へのギフトとしてもご活用頂けるので大変喜ばれております。
 
 このように上場当初から、株主優待にも力を入れておりますので優待からお客様になって頂けるユーザー株主の皆さまも沢山いらっしゃいます。これからも私どもはこうしたファンづくりをすることで「会社と共に歩んで輝く女性を応援していきたい!」そういう気持ちで長期的に安定した経営をして参りたいと思います。(写真は、ポーラ・オルビスホールディングスのロゴ。提供:ポーラ・オルビスホールディングス)