東京時間に112円台前半まで買われたドル円は、NY市場では反落。米長期金利が3%台に乗せたものの、日本の長期金利の上昇が意識され111円39銭までドル売りが進み、111円70銭近辺で引ける。ユーロドルは小幅に反落。1.17台が徐々に重くなり、1.1658前後まで売られる。株式市場は高安まちまち。アップルの好決算を材料にハイテク株が買われ、ナスダックは35ポイント上昇。一方ダウは81ドル下げる。債券は大幅に反落し、長期金利は約2カ月ぶりに3%の大台まで上昇。FOMC声明文で今後の漸進的な利上げ方針が堅持されたことが債券売りを誘った。金は続落。原油も在庫が予想以上に膨らんでいたことで大幅に続落。

7月ADP雇用者数       →  21.9万人

7月ISM製造業景況指数   →  58.1   

ドル/円111.39 ~ 112.01

ユーロ/ドル1.1658 ~ 1.1700

ユーロ/円  130.22~ 130.88

NYダウ  -81.37 → 25,333.82ドル

GOLD  -6.00 →1,227.60ドル 

WTI  -1.10  →67.66ドル  

米10年国債 +0.047  → 3.006%


本日の注目イベント

欧  ユーロ圏6月生産者物価指数
英  BOE金融政策発表
英  BOE四半期インフレ報告
欧  企業決算 → BMW、シーメンス、ソシエテ、バークレイズ
米  新規失業保険申請件数


 昨日の東京時間の午後、ドル円は112円台に乗せ、112円14銭までドルが買われました。約2週間ぶりのドル高を記録しましたが、その後の海外市場ではドルの上値を追う動きは見られず、反対に111円39銭まで売られる場面もありました。米10年債利回りが5月下旬以来となる3%の大台まで上昇し、通常は米金利高に反応し、ドルが買われると思われましたが、市場は日本の長期金利の上昇を材料視したようです。

 前日、日銀が長期金利を0.2%程度まで上昇することを容認したことで、昨日の債券市場で長期金利は0.12%まで上昇しました。この水準は1年半ぶりの水準となり、市場参加者はこの動きにドル売りで反応したようです。また前日、米国と中国が全面的な貿易戦争回避のための再協議を模索していると伝えられ、一旦リスク回避の動きが後退したものの、この日は再び貿易戦争への懸念が高まったこともドル売りにつながりました。

 トランプ政権は中国からの輸入品2000億ドル(約22兆3600億円)相当に関税を課す計画について、税率を従来予定の10%から25%に引き上げることを提案すると、ブルームバーグは報じています。米国は既に中国製品340億ドルに関して25%の関税を適用しており、さらに160億ドル相当の輸入品に関税をかける案の意見公募期間は昨日で終わっています。トランプ政権は、中国が公式な通商協議のテーブルに戻るよう圧力をかけるため、2000億ドルの輸入品に対して税率を上げるという強行策に出ているようです。水面下では貿易戦争回避への交渉が行われているようですが、中国側がある程度譲歩しない限り、この問題の終息へ道は遠いように思えます。

 FOMCでは大方の予想通り、政策金利の据え置きを決めました。声明文では、経済活動が「力強いペースで拡大」しており、失業率は「低い水準で推移している」と指摘しています。また、「家計支出と企業設備投資が力強く伸びた」とも記され、全体では景気の見方を上方修正した形になっており、9月の利上げに向けた地ならしとの印象です。(ブルームバーグ)先月トランプ大統領は、利上げは「うれしくない」と発言しましたが、今回の声明文を見る限りその影響はないようで、次回9月25-26日の会合での利上げ確率は直近でも、80%前後で推移しています。

 引き続き米中の貿易問題が市場の最大のテーマで、この問題が決着するのかあるいは交渉のテーブルにも着かず決裂するのかで、相場の行方も大きく変わります。上記2000億ドルの関税実施は、早ければ9月と見られていますが、中国側からの譲歩がなければ、さらにトランプ大統領が「5000億ドル!」と、脅しをかけてくることも十分予想されます。

 本日のドル円は111円20銭~112円20銭程度を予想しますが、再び3%の大台に乗せてきた米長期金利の動きにも注意が必要です。前回は3%台での滞留時間は短く、確か2日程度だったと記憶しています。もし今回の3%台乗せが長期化するようであれば、ドルの下支え役になり、ドル円の大幅な下げは、金利面からすれば見込みにくいということになります。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)